迷子と遭難

日々

迷路

大抵の人は迷った時には、同じ道をぐるぐる回るそうだ。会社でも組織でも同じで、迷走し始めた状態では随分前にやったことをもう一度新しい試みだと思いこんで繰り返してしまうことが多い。端的にいえば同じ過ちを繰り返す状態に陥るわけだ。それはどうしてそうなるかというと、以前同じことをやってみたものの、何かが原因でそれをやめてしまった理由をすっかり忘れてしまっているか、もしくはその反省の記録がどこにもないからだね。記録データは財産なのはそういう役割であって、それらの自らの言葉で記された大きな反省、検証が一歩ずつ次のステージへと進化することができる。ところが無反省に無鉄砲に思いつきでやるもんだから、大抵の思いつきはワンパターンしかない。特に常にアイデアをブラッシュアップするための試みとして、仮説を立てて実施し検証をして次のフィードバックを得るようなことをする能力が欠落しているから何度も同じ過ちをぐるぐる繰り返してしまうわけだね。

ロジックと感覚

ロジックではなく感覚でうまくいく人もいる。彼らは天才と呼ばれる人たちであることが多いね。それはおそらく状況把握とそれらの検証データが自然と頭に入っていて、同じ過ちを繰り返すようなことを上手に避けられる人だ。もちろん何度かは天才のようにできることがあるから、その過去の経験からどちらかというと自分はそっちの傾向だと思いこんでしまうと、それらがうまく行かなくなったときに典型的に落ちぶれていくことになる。過去の経験しかデータがなく、かつ覚えているだけの状況でより複雑化した社会で成功する確率は大幅に減少していくのは必然だね。いわば一世代古くなっていくわけで、もちろん多少古くなっても真理の部分ではずっと通用するけれども、真理や原理を掴んでいてもどう応用するかが実践であって理論と具体的な戦術がどんどん乖離していってしまう。そうすると戦略は立派であっても戦術に落とし込めないのでどうにもならなくなってしまうわけだ。

成功体験

経験そのものは過去であり、もうそこには戻れないものだと切り捨てられるかどうか。その体験から未来予測をするのが商売なんだけれども、過去はこれで売れたからこれからこれだけの売上が望めるなんて思ったところで、うまくいくわけがないね。もちろんそこに真理や原理があることは間違いないけれども、それをアクションプランに落とし込むときにどうパラメータを動かすかは鼻先がどれだけ効くかに依存してしまうわけだ。ずっと情弱老人を相手に商売していくとしても、スマホも怪しく電話しかできない人たちはどんどん世代交代しているのは事実だね。数年前にうまくいったことをそのまま踏襲したところでどんどん先細りになってしまうのは必然となる。さて、今後の需要予測が難しいのは誰にとってもそうだけれども自らの立ち位置をしっかり決めないと今のようにずっと迷子になったままになってしまうよ。迷子ならまだしもそこから遭難しないように注意しないとね。