変な生き物
あなたを支えるもの
他人に迷惑をかけてはいけません、なんて小さい頃から教えてしまうから、それが人生の大きな柱になってしまう人が多い。とはいえ、日常生活を送るにしても膨大な人々のお世話なしでは一日も生きられない現実も知っている。ちょっとお腹が空いたら近くのコンビニで軽食を買うね。離れた職場までは電車やバスで通っている。今住んでいる家だって大家さんから借りているものであり、大家さんはどこかに工務店に随分も前に発注して建ててもらったアパートなんだろう。明日の燃えないゴミの日に備えてゴミを分別していたり、そういえば自転車がパンクしたので明日自転車屋さんで直してもらわないといけないんだった。あなたの生活を影で支えてくれている膨大な人々がいるからこそ、便利で快適な暮らしを送ることが実現している。そのことにいつもお気づきだろうか。
社会と孤独
それでもあなたは一人ぼっちで生活をしていて、家に帰っても誰かがいるわけでもない。だから寂しいと思ったりしているんじゃないかな。ところが、あなたは膨大な労働力の上で成り立っている存在であって、決して森の中、孤独に彷徨う獣ではない。ましてやこれだけ人が多い大都市で暮らしているわけで、一歩外に出たらあらゆる人を目にすることになる。それが当たり前になっているから、あなたの暮らしを支える人が見えない。さっきコンビニであなたに「ありがとうございました」と声をかけてもらったおじさんだって、あなたが今食べているパンを渡してくれた恩人なのにね。お金を払って買ったものは、誰にも迷惑かけてないと思い込むようになったのはいつの頃からかな。友達から夕食を御馳走してもらったときは、素直にごちそうさまって言えるけれど、コンビニのおじさんには無言でいいと思ったのはどうしてだろう。
迷惑とお金
そう考えると、お金は迷惑料だね。色々と迷惑かけないと誰もが生きていけないからこそ、お金さえあればどんどん迷惑かけても許されるようにできている。お金がたくさん必要なものは、それだけ人手をかけないと出来ないことだろうし、王様気分にさせてもらうようなことにはそれなりに必要だろうね。ということは、逆にお金を節約するということは、それだけ他人に迷惑をかけずに生きていくということになる。あまりに一人でなんでもやる人はけちん坊とかつまらないやつと言われてしまう。それはやっかみからそう言ってしまう人がいるってことなんだろう。でも究極的に生きるためには地球上からのエネルギーを分けてもらわないとどんな人でも生きていけない。迷惑をかけて生きるのが当たり前だったわけだし、人間以外の他の動物は持ちつ持たれつでバランスをとって暮らしている。人間だけ迷惑かけてもチャラになるお金というものを生み出して、迷惑をかけないレースをやっている。人に頭を下げたり、ありがとうを言いたくなくて迷惑券であるお金を必死に集めている。変な生き物だね。