帰還不能

日々

役職

ずっと仕事とか組織に携わっていると、いつのまにか管理者や役職がつくポジションを任せられることになる。部長とかマネージャーとかだね。現場主義のあなたはそんな役職について部下の育成や管理なんてまっぴらごめんだと思っている。けれども誰かがやらないと組織はまわらないとか言われて渋々その役を演じることになる。はじめは馬鹿にしていた管理者だけれどもやってみればとても奥深いことに気がつく。要するに1たす1を2ではなく10や20にしなければならない役回りだね。そんなことだろうから面倒でやりたくなかったと再確認するはめになるけれども、こればっかりはもう後には引けないからジタバタしたところで組織が揺らぐだけだね。

孤立

そのために全体のバランスと個々のスキルや特色を見抜いて、うまくそれぞれの能力を発揮してパフォーマンスを出すことを求められる。だから否が応でもなんからの指示を出していくことになる。最初はどうしていいものか悩むだろうけれども、ずっと俯瞰して見ているとそれまで見えなかったことに気づいていく。そして改善点が明確に見えてくるから、あるべき姿というかベストポジションがはっきりとわかるようになる。それがベースとなるから意見を求められたり、評価をしなければならないときにどんどん迷いがなくなっていく。一方でもともと同僚や仲間からは、どんどん変わっていくように見える。あなたは全くそんなつもりなどないのに、周りからはなぜか遠い存在だと見られてしまって寂しい思いをすることになる。

指示

指示を出し続けていくうちに、あなたは実務からどんどん遠ざかっていく。どんな泥臭い、面倒な経験でもできるうちにたくさんしておくものだと気がついたときには時既に遅しだね。それをあなたは実際に体験することがすでにできないポジションになっている。しかも能力的にも若い頃と同じようにはできるかどうか怪しくなっている。やればできると今でも思っているし、こっそり裏では作業をなぞってみたりしてホッとしている。それもいずれは古くなりどんどん刷新されていくのは時代の流れだね。あなたはそれが痛いほどわかっている。指示をしたり、誰かに任せたり、アウトソースしたりするそれらは二度とあなたは体験することができない。仲間との孤立とその上あなたが手を動かすこともどんどん少なくなる。やがてそれはどんな未来が訪れるかもわかっている。いずれはお役御免になってポンコツになることもね。でも誰かがその役を引き受けないといけない。振り返ればそこがポイント・オブ・ノーリターンだったと気づく。でもね、その場から離れたらまた違う景色が見えるはず。移動する力はまだ残っているはずだよ。