彩りを添えて
大変化
なにかこれまでの人生を変えたいと思って、引っ越しや転職や好きな人との訣別など大げさなことを考えがちだけれども、実はそれらは見当違いになる。もっと小さな変化で十分だね。いきなり目標を高く設定しがちなのは、虚栄心からなのか、それともドラスティックに変わることで自己顕示欲が満たされることを狙っているんだろう。ところがそれらはすでに経験済みのようにことごとく失敗に終わる。そんな大げさにしないでもいつものルーティンにひと花添えるだけですべてがそれこそ狙っていたように劇的に変わるんだよ。
小変更
なんとなく部屋がつまらないと思ったら、ちょっとレイアウトを変えたり、小物を置いてみたりして彩りを添えるね。いつも同じ服装で過ごしているのなら、今日はちょっと違ったシャツを来てみよう。ちょっと近所のコンビニまで行くのにいつものクロックスを履いているのなら、ちょっとおしゃれなサンダルに変えてみよう。空気のように安心して過ごしていられるパートナーがいるのなら、ちょっと今日はとびきりの一品を食卓に並べて、お互いにその食レポをしてみよう。彩りは何も大きく変えることではなくて、ほんの少しの差し色をいれてみるだけで十分だね。逆にそれほど悪くないフレームごと作り変えるなんて、骨が折れるだけで結局はもとの形に戻ってしまうことになる。安定が基礎になるからこそ、長年培ってその形になったんだからね。
勘違い
だから人生を変えるのに、大金も野望も高価な資材も必要はない。お金がなくても、練りに練られた戦略がなくても大丈夫だ。逆にそれらは、妄想の中にとどめておくのが一番有効だね。もしも大金が手元にあって、やりたいことがすべて叶う世界ならどんなに幸せだろうかと想像するためのものでしかない。その想像はいつでもどんな場所でもできるね。それで十分その役割を果たしているわけだ。それが実現したらその妄想自体が消えてなくなってしまう。それがいつでもどこでも呼び起こせてその時だけふわっと幸せの風を感じられるってとても素敵な清涼剤だ。だから、その幸せの世界に近づくために、いつもの朝のルーティンの順番を変えてみることから始めよう。そう、その歯ブラシを変えるだけで人生がまるごと変わるんだからね。