小さな窓
選択肢
どうするか迷ったら、ちっぽけな損得勘定を捨てたほうがいい。そう言われても素直に受け入れられないのはわかる。なら徹底的にどっちがお得かを考え抜けばいい。結局はどちらも同じ結論になるはずだからね。損か得かで日が暮れていくのは地球上であなただけだ。自然界や宇宙に損得なんて存在しない。円安だの経済活動だの大騒ぎしているものあなただけだ。経済なんて嘘から始まっているんだからね。紙切れや硬貨が価値があるものだと嘘を信じたからこそ、そのせいで様々な苦労が莫大に膨れ上がっているわけだ。お金がないと生活できなくしたのもそうだし、お金持ちはなんとなくすごいと思いこんでいるのもそうだ。そんなことに喜んだり困ったり、泣いたり笑ったりしているのはあなただけだ。でも、ネコのチクワはそんなあなたのことを楽しそうだと思ってみているかもしれないね。
経済人
経済学で有名な定義としては、人間は経済人であるとされる。すなわち損を嫌い得を好む行動しかしない。もちろん個性はあるだろうけれども、そんなものを入れたら原理として成立しないので本能としてそうだとする。社会学では野蛮人だと定義する。原始時代は自己の利益のために殺戮をも厭わないようなヒトを想定している。それから契約社会へと文明をもって進化したとでっち上げる。確かに自殺したりするのは現代人だけであり、自然界では少しでも生き残れないとわかったならば、母親から育児放棄され我が子であっても食べ物になってしまう。これを見て人間であるあなたは残酷だと感じるだろう。しかし自然には残酷なんていうのはそもそも存在しない。なぜなら自然そのものが残酷であるからだ。であるならば、あなたは自然であるヒトから自然ではない人間になっているということを意味しているね。
観察者
あなたがそう見たいように自然は振る舞う。それは小さな新幹線の車窓から雄大な富士山を見ているのに似ているね。あなたはそれが富士山だと思っているかもしれないけれども、もっと近くで見ている人は全く物足りない。いつも同じ方向でしか見ていないのに、それが全てだとは思わないまでも実際には四季折々様々な表情がある。もちろんあなたもそのことを知っているだろうけれども、それを言い出すとスケールがあなたの五感を超えてしまうね。いつもあなたがなんだかんだ判断したり、したり顔で正論ぶってドヤ顔しているのはせいぜいその範囲の枠組みの中だけのものだね。優秀な頭脳を持ってしてもせいぜい太陽と月と地球ぐらいでお腹いっぱいだ。それ以上はコンピュータの力を借りていくらでも計算はできるようになったけれども、それに対する感想なり判断はもはや無力になる。でも不思議なことにあなたそのものは、そのよくわからない、想像もできないスケールの一部であることにはおそらく間違いないんだよ。