あるもの

日々

また明日

今日がもうすぐ終わる。今日できなかったことはまた明日にでもやろう。それ以外は来月になるかな。とにかく今日できることは目一杯やったから満足だと思ってぐっすりと眠りにつけたら、これほど幸せなことはない。寝る前に一日を振り返って、あれもできていないし、これはこうした方がよかったなと後悔の念ばかりが覆い尽くすのがいつものことになっている。なぜかできたことよりもできなかったことばかりが目立ってしまう事が多いね。もっと違う視点で見つめる癖がついたらそれこそ人生が180度ガラッと変わるのにね。

減点方式

いつのまにか何かを評価するのができて当たり前という前提で始まる減点方式になっている。おそらくテストで言うところの100点満点中何点かというのが振り返りや評価だと思いこんでいる。それも無理はなくて幼い頃からそれでしか褒められてこなかったし、今でさえ出来栄えは常にライバルと比べられていい意味では切磋琢磨、悪い意味では生き残りをかけている状況に置かれているからね。でもいい意味での切磋琢磨は減点方式ではなくても成立するはずなんだけれど、比較するには基準点が必要であって、それが曖昧だとまともな評価さえ困難になる。りんごとバナナはそれぞれを比べることはできないけれども、「糖度」というものさしでどちらが甘いかというふうにかなり「限定」すれば比較することが可能になる。

選りすぐり

誰もが羨むような優秀な人がいる。でも、そのどれもが限定的な比較でしかないことに気がつくかな。品行方正、高学歴、高収入、容姿端麗で文句のつけようもないとされる人でも、それはほんの一部でしかない。そんなものに心奪われて憧れているわけだけれども、あなたにはそれ以外の魅力がたくさん詰まっているのは間違いない。皆が同じものさしで矯正されなければならないのは、規格品として標準化した方が都合がいい人がいるからだね。強い経済を取り戻すために、中流階級を分厚くするのが新しい資本主義社会だとかいう政治家も、そのサザエさんが本当の幸せの中に生きていたのかを顧みてはいない。足りないなにかを追いかけるよりも、すでにここにあるものを喜ぶことができれば、これほど至極の人生が開かれることはないね。