鍵穴の世界

日々

結果オーライ

あなたは今置かれている状況に絶望しているみたいだね。何をやってもうまく行かず、思い通りになんて微塵にも行かず、ささやかな願いは全く叶う気配もない。もう何を楽しみに生きていけばいいのかと投げやりになってみたところでそれらは何一つ良くなることもない。でもそんなときこそ、順調だと言い続けるといい。何をやってもうまく行かないのはそれがまだその時期ではないからわざわざそうなってくれているんだし、思い通りに行かないのもそのとおりにすると弊害の方が大きいからだし、ささやかな願いはもうすでに十分かなっていると知らせてくれているんだよ。まさか、こんな最悪な状況でそんな呑気なこと言えるわけもないって思っているだろう。あなたは一体どこを見てそう思っているのかを、絶望しつつも最後の力を振り絞って考えてみるといいよ。

小さな窓

あなたは大きな窓の側にいるのにも関わらず、わざわざその窓を避けて小さな鍵穴から外の景色を必死になって見つめている。そんな見えにくいところで全体像がわかるわけもなく、小さく切り取られてしまった状況がこの世のすべてだと思って一人憤慨しているようなものだね。不思議なことにいつも何かが足りないし、あともう少しというところで邪魔が入ったりする。挙句の果ては良かれと思って自らの思いを捻じ曲げてやってあげたそれも、どうも評価は芳しくない。そんな状態だから、この世で一番悲劇の主人公はまさにあなただと思いこんでしまうのも無理はない。それはとてもよく理解されるだろうし、おそらく誰に聞いてもそうだと言ってもらえると勘違いしている。そのことが真実なのかどうかをまずはいつも覗いている小さな窓から離れることが大切だね。そうしないともっと大きな窓があることすらあなたはずっと気がつかないんだからね。

あなたの壁穴

あなたはこれまでずっと、あなたと外を隔てる壁がそこにあると思っている。その壁はあなたからするとおそらく知らぬ間にそこにずっとあった。そこに小さな鍵穴があった。そのおかげであなたはいろんな世界をみることができた。それはとてもラッキーだったと思っている。だからその鍵穴から片時も離れることができずにいる。それさえ失ってしまったなら、あなたはもう何もみることができないと思いこんでいるからね。誰がなんと言おうとそこから一歩も動けないし、動いたら最後だと本気で思い込んでいる。だから苦しいんだよ。その鍵穴から目を離して、もっと違う窓を探してごらん。そんなことしてもし外が見えなくなったらどうするんだと怒るかもしれない。でも、そのときはそのときでまた探すといい。なぜなら、仮に小さな穴から外が見えなくなる恐怖よりもそのことによって引き起こされている今の苦しみの方が何倍も大きいみたいだからね。