世界の果て

日々

悪さ

あなたはどちらかというといい人だね。逆に言えば悪い人だと思われることに恐れているからそうなっている。それならいっそ悪人になってやろうと思ったところで、中途半端にしか悪人になれないし、結局は悪人と呼ぶほどでもないよくわからない程度にしか変えられない。考えてみればそれができるのなら、今抱えている悩みもすでに解消できているだろう。結局は悪人には程遠い善人のままでいるしかないね。でもそれで全く問題ないんだよ。ちょっとした悪さなんてすべて吸収してなかったことにしてしまうぐらいの宇宙にあなたは暮らしているのだからね。近頃はやたら環境だの地球だのにマスメディアがスポットを当てすぎているけれども、それはまったくもって善人ではなく悪人が喧伝しているに過ぎない。そんなことができるのは、根っからの悪人だけだから間違いない。

スケール

そもそもあなたがどうこうしてどうなるというスケールではなく、それがどうこうできると勘違いしてしまうのはあなたがわざとちっぽけな世界をそこに出現させているからだ。小さな水槽の中で良いとか悪いとか言って評価したり格付けしているのは、その水槽以上の規模になってしまうとそれができなくなってしまうことを知っているからだね。要するに良い悪いなんて宇宙の真理とかではなく、神さま仏さまも閉じ込められた世界でどちらが上か下かを楽しんでいる。地球を飛び出した瞬間に、きっとどちらが上とか下かがわからなくなってすぐに言い争うことになるね。もちろんその議論には結論は永遠に出ないわけだから、永遠に言い争うことができる楽しみを含んでいる。飽きるまでやりつくせばいいし、飽きたらやめたらいい。宇宙規模ではその解決など何の意味もないけれども、あなたにとっては深刻なそのトピックはあなたが生み出した良き暇つぶしにはなる。

視座

何よりもすごいことは、あなたのちっぽけな脳の中に宇宙のすべてが詰め込まれていることだろう。だって実際に見たこともない宇宙を想像して生み出すことができる能力を備えているからね。だから視点をかえたとした議論もできるし、どこまで拡張することができる。さすがに宇宙の果までは誰も考えが及ばないみたいだけれども、それも思考実験としてなんとかしようとする意気込みはもう奇跡だといえる。どこまでもスケールできるし、かつカメラを移動するかのように視座の変更もすべて脳内で完結できる。その中のほんの片隅に、善か悪か、上か下かというミニゲームも忘れずにいる。それができるのはもはや宇宙を超えた神の領域と言っても差し支えないかもしれないよ。