四角四面

日々

俗世

目まぐるしく状況が変化する現代社会において、できるだけ健やかで穏やかで、できれば幸せに包まれた日々を過ごしたいのなら、ある程度のテクニックが必要となるね。まずは体調を安定させること。奇しくも健康的な生活がいつもブームになるように、その裏返しとしては現代社会に生きることがどれほど不自然で身体的にも精神的にも負荷が大きいかを物語っている。筋トレしないと精神は安定しないし、オーガニックな食物を取らないと体調が不安定になる。おまけにいつも不足している栄養素があったりして、身体が酸化するのをなんとか遅らせるための抗酸化物質をサプリメントとして飲まなければならない。そもそもそんな食生活を強いられて、精神的にも嫌なことばかりしなければ生きていけないこの社会は、文明化された先進的で豊かな社会なのだろうか。でも、一度踏み込んだたらもう抜け出すことはできない。

安心

膨大な何かを犠牲にしたこの四角い社会には、ほんの少しもムダがない。よくわからない原っぱとか、何の役にも立たないへんな隙間はすべて造成され、区画整理されきれいな四角に生まれ変わる。そうして自然の木々でさえあなたが見て美しい方向と間隔で整理されている。そしてそんな都市の風景を見て安心して暮らしているね。荒野のジャングルに放り出されてしまっては、一秒たりとも気を抜くことができずに、おそらく恐れていた野生動物に襲われるより前に、そのストレスで自らやられてしまうだろう。だからムダが許せないし、それに対して変な嫌悪感があるのもすべては「安心」のためだね。もちろん、木々には虫はつきものだけれども、虫はきちんと整列しないから駆除してしまうわけだ。

感謝

自然を大改造して、安心して暮らせる社会を高エネルギーで高負荷をかけつつ暮らしている。今更そんなことを言われても生まれてからそんな社会だから、それがどんな特殊なことなのかもわからなくなってしまうのは仕方がないことだ。そんなことよりも、そうまでして構築した社会に対して、やっぱり質は違えども安心できない人が多くなっている。だからこそ、目の前の社会に対して疑問を持つようになる。このままでいいのかとね。豊かさを実現するために積み上げてきたものに満足するどころか、かえって不安を覚えるようになる。いずれにせよ今の当たり前がそうではなくて、すべてが奇跡であり感謝することができれば世界は変わるのはそういうことだね。ありがとうといえることが日常に何個ぐらいあるかをカウントしてみるのもいいかもしれない。決して感謝しなさいと言われたから感謝するとかではないよ。それは感謝という行為をしているんであって、全く別ものだから気をつけよう。