画像処理エンジン
ファインダー
本格的に写真を撮っている人は、いつも景色はファインダー越しから見ている。大自然の風景をどの画角で切り取るかが勝負だからだね。裸眼で見える視野をすべて収めることもできず、また人の目はその中でフォーカスしたものだけを切り取ってみている。まるで今持っているカメラのように。だから見たいものを見たい画角でどう収めるかが大事になってくるわけだ。なぜなら自分が今感じたそれを、どうやって記録として残して伝えるかを模索しているからね。写真なんて写せばいいだろうとか、撮ればいいだろうと思っている人とはまた違った感性を持っているわけだ。
フレーム
実際そこになにがあったかを切り取るという目的では、実は写真は役不足なんだ。そんなことはないと思っているかもしれないけれども、フレームの外側は切り取れないからそうなるはずだね。実際の事象をどこに注目してどこを削ぎ落とすかで真逆に印象を生み出すことができる。それが映像で何かを伝えるクリエイターの腕の見せ所でもあるわけだ。もちろん事実を伝えることができる映像も撮ろうとすれば撮れるかもしれない。けれども、実はその方がとても難しいのはそういうことだ。とにかく写せば事実としての証拠だと思っているかもしれないけれども、それほど強力ななにかになるかどうかはあとからそれを見る人に委ねられる部分が考えているよりも多かったりする。
心の風景
いまあなたが見ているそのシーンは何だろう。それほど特筆することもない気だるい毎日だとざっくり方程式のようにくくって理解している。でもそれぞれを展開して詳細を再計算してみると、かなり思っていた印象とは違う事実がそこかしこに発見することができるだろう。現代においては視覚情報にかなり偏って判断しているようだけれども、実は無意識にそれ以外で感じ取っている知覚で補完されている。うまく言葉にできないそれがあるから、それを詳細に見ないで放置している。そして切り取られて見えているそれが代わり映えのしない情報としてスルーされるわけだ。だから心象風景を処理しているアルゴリズムを書き換えてしまえば、なんてことのないシーンが感動と感謝にあふれるシーンへと変換されるわけだよ。同じデータでも処理によって結果が大きく違ってくるのはそういうことだね。