あなたの知らない世界

日々

居場所

ずっと同じ場所にいるとやがてその場所で最適になるように順応していくね。要するに住めば都とか言われるようにより心地よい方へと慣れていくわけだ。そこでの暮らしはあなたにとっては安全地帯になり、帰る場所でもあり、やがてあなたそのものの基地(ベース)となるね。生まれ故郷を出身地として語るよりも、その後育った場所の方が故郷と呼ぶのにしっくりくるのはそういうわけだ。物心つく頃にどこで過ごしたかというのがルーツになっているからね。その後、今度は人生の多くを過ごした場所が第二の故郷となっていく。おそらくは風土、風習、方言など気にもとめていないことの集大成があなたそのものに変化していくから、馴染むわけだ。

旅行

そんな慣れ親しんだ環境を変えてみることが気軽にできるのが旅行だ。ちょっとした非日常を味わうことが醍醐味であり、慣れない環境を体験することができるからワクワクする。でも、その旅も数日をすぎると、いつもと同じ感じで過ごしていることに気がついてびっくりすることもあるね。体験が積み重なって経験となり、その場での違和感を乗り越える順応スピードが上がっているわけだ。それでも、まだ見ぬ景色を探し求めて、あわよくばまだ体験していないことに触れてみたいと思っている。あくなく探究心というか好奇心がやっぱり見知らぬ場所へ足を向ける一番の動機となる。ところが最近、そんな旅行や外出でさえ億劫に感じてきてはいないかな。

転居

なにかを確かめるときは、まずは環境を変えてみることが一番わかりやすい。ところがなんだかんだで今いる場所に順応しているので、あまりにそれが過ぎるとその場所から離れるなんていう発想すらなくなってしまっている。すべての思考の始まりが、ずっとその場所で生きていく前提となりがちだ。そのうえで何が足りないとか、何をはじめるとかを組み立てている。もちろんその方が変数が少なくてすむからシンプルに考えられていいね。でもたまにはその場所から離れて、環境がガラッと大きく変わるのもいい。今その場所に馴染めば馴染むほど大抵は不便になり、寂しくなるのは間違いない。でも、それを悪いことだと思い込みすぎてそこから一歩も動かないと決めつけるのももったいないかもしれない。もちろんいろんなしがらみでその選択肢はないことが多いよね。でもそれもあなたが変えられることの一つでもあることは忘れないようにしよう。