水面
静止
無風な状態での水面は鏡のようにきれいに像を結ぶ。いつもそういう心境で過ごせたらいいけれども、実際はそんなときのほうがまれだね。何かとさざなみがたち、鏡面のように全てを映すような状態になることはまず奇跡に近い。そんな中でもどうしようもないぐらいに波立つときもあれば、少しだけ波紋が立つぐらいのときもある。それらにいちいち惑わされてあなたもそれに応じてジタバタすると、さらに波が立つ。そういうときにほとんどの人が取る動作としては、息を潜めてそっと見守ることだろう。とにかく静観することができたら、波風が立つのは自然なことであり、自らが呼吸をしていることすら忘れるぐらいの自然なことだと気づく。そう、さざなみでかき消されても、鏡面のようにすべてを映し出していても、どちらも自然の一部だから良いも悪いもないね。
晴天と雨
さっきまでいいお天気だったのに、急に雨に降られて憂鬱な気分になる。でも晴れは良くて雨は悪いと決めているのは誰だろう。雨のときは濡れないから快適だと言う。また雨雲がないから遠くまで見通しが効くからいい天気だと言う。そもそも濡れることは不快なことなんだろうか。乾いて過ごしていることは正常なのだろうか。哺乳類にとっての雨はそもそもどういう効能があるのだろうね。人類はお家を建てて雨や夜露で濡れることを防ぐようになった。だから濡れないことがいつものことになったので、雨が降ると最悪な気分になるようになったわけだ。でも洞穴やお家で過ごすようになったのは地球の歴史からするとごく最近のことだね。もちろん他の動物でも巣があって普段は濡れないように生活しているものもいる。けれども、だからといって傘やカッパで雨を防ぐような動物は人類だけだ。
天気予報
最近では天気を予報することができるようになった。もちろんすべてを完全に予測するのは難しいけれども、なんとなく精度は上がっているらしい。雨は人の気分まで大きく影響を及ぼすようで、スーパーや市場の流通や仕入れが大きく変動する。簡単に言うと、雨のせいで売れるものが売れなくなるわけだ。市場経済では売上と利益に直結する大事件となっている。暑さ寒さも季節商品の売れ行きに大きな影響を与えるらしい。だからこその天気予報がもとは戦争のために発展したものが、今では経済活動の予測に役立っている。そしてそれに応じてあなたも気分が大いに変わる。自然のことは自然にしておくのが一番だと思うけれども、今では自然にしておくことが一番の不自然なことになってしまっている。さて、そんな状況であなたはどうやって静観することができるのか。それを考えてみるのも一興だね。