ずっとそこに空がある
息を呑む
ハッとするぐらい美しい光景に出会うことがある。その瞬間はとても印象的で、かつ時間を忘れる。すなわち時間がそこには存在しないね。時間はいつもあなたを悩ませる問題児だ。常日頃から時間が足りなくて時間に追われている日々を過ごしている。特に好きなことをやり続けたいと願うけれどもそんなときの時間はあっという間に過ぎて、いやいや仕方なくやっているときは、何度も時計を見ても遅々として進まないように感じる。同じ1秒だと言われても到底そうは思えないほど格差があるのは事実だ。でも同じ1秒なんだと無理やり納得している。夢中になって過ごしている状態が人生のほとんどだと、おそらくは人生がとても短く感じられて切なくなるんだろう。到底そんな理想的な日々ではなく辛い毎日を過ごしていたとしても、時間を忘れてしまう瞬間が平等に訪れるようになっているみたいね。
見上げる空
何百年に一度の天文ショーだとマスコミが宣伝している。気がついたら多くの人がいつもの空を同じように見上げている。そこで過ごしたそれぞれの時間はおそらくはあっと言う間に過ぎ去っただろう。夜空を3分以上見上げたことは最近あっただろうか。少なくとも数十分はずっと見ていた人も多いだろう。普段は気にもとめない空が特別な空に変わる瞬間でもある。目の前で繰り広げられる現象は今では中学生の理科で習うことなんだけれども、おそらくは学校で習ったときは、だからどうしたとピンとこなくて苦手だった。そんな理屈はどうでもよくて、ただただずっと飽きもせずに眺めているだけで、あなたの心は穏やかに変化したことだろう。その理屈については学校や先生は教えてくれないね。もちろんテストにも出ない。
素晴らしき世界
そんな世界にあなたは暮らしている。普段はくだらない人間関係でうんざりしているかもしれない。もしかすると空を見上げている場合ではないぐらいの問題に追われているかもしれない。でも、空を見上げて今あなたがいる場所を再確認するだけでそんなことは一瞬で吹っ飛んで、時間すらわからなくなるわけだ。どっちが現実なのか比べるまでもなく、または大自然のエネルギーの大きさに比べるまでもなく、そこにあなたがいること自体が奇跡でしかないね。ちっぽけな悩みだと思えとまでは言わないけれども、よくよく見つめ直してみて、それは空を見上げることよりも重大なことなんだろうか。確かに普段の生活においては悩ましい出来事だらけだけれども、それほど豊かな生活でなくてもこの空はいつもあなたを見守っているわけだ。もし何かこだわりやゆずれないと思っていることを空に浮かべてみると、あなたの凝り固まった何かがほどけていくかもしれないよ。