自然界
二つの世界
大まかに言えば幸せとか不幸とかくよくよ悩んでいることのほとんどは人間関係だね。人間がたくさんいて関係性を生み出し、それが社会問題としてクローズアップする。一番わかり易いのは「いじめ」の問題だね。これはおそらく集団生活を始めたときからずっとなくなることはなかったと思われることだ。その人間関係の世界から少し目を遠くへ向けてみる。すると、ある意味残酷であり、過酷な自然の世界があるね。昔ながらの言葉で言うと花鳥風月ということになる。もっと身近にはペットがいるかもしれない。ひもすがらペットの生き様をただじっと観察してみれば、いかに彼らが悩みもなく、好き放題に生きていることがわかるだろう。ときにはそれが羨ましく思えるかもしれない。動物や虫たちには人間だけにある固有の見栄もプライドもなく、ただひたすらに生き残るためだけの行動しかしていない。はてさてあなたはこう思う。そこに幸せはあるのだろうか。
閉塞
現代社会で生きていくと、狭い世界に多くの人が閉じ込められてしまう傾向にあるね。そのことでとても便利になるし、安心して暮らすことを可能にしている。一方で、住まいが近くなだけでご近所付き合いが生まれ、たまたま気の合う人であれば大きな問題にはならない。けれども、それは運の問題で、必ずしも気の合う人がご近所さんであるとは限らないね。特に人数が多くなればなるほど、少し違った人がいる可能性は高くなるのは当然のことだ。そこで生まれるのがうまくやっていけないという問題が発生するわけだ。できれば少し離れることができればそれほど軋轢が生まれることもなく、それぞれが好き勝手にやっていけるはずなんだけれども、なかなかそうはいかないときに大きな懸念事項となってしまう。
自然の中で
どうしても接触が避けられない社会において、唯一の逃げ場所がある。それは人が少ない自然の中に身を置くことだね。とはいっても、今さら過疎化が進んだ野山の一軒家に移り住むことはなかなかに難しいだろう。それでも都会の生活に疲れて田舎へ引っ越す若者が徐々に多くなっているのも、そういった社会現象の一つだろう。もちろん、色んな事情によってそれができない人の方が多いだろうから、たまにはできるだけ休暇をとれるだけとって、自然の中に身を置いてみるといい。ふだん毛嫌いしている虫や、もしかしたら獣が近くにいるかもしれない。そこで、それらの自然にじっくり触れることで、頭でっかちになった人間関係を一旦は忘れてしまうといい。生きるのが難しい現代社会の罠がそこで少しでも解けていくことを感じられたならば、おそらく生きる力が復活するだろう。虫が苦手なのは、あなたも自然の一部だということを忘れてしまっているからだよ。