錆びついた思考回路

日々

正解はどれだ

いつもあなたはどれが正しいだとか、どれが正解だとか、どれがベターなのかを探し求めている。気がついたらそれ以外の論理的思考をしたことがないから、その回路ばっかりに磨きがかかるが故に、突拍子もない発想なんて微塵にもできないようになっている。そのせいで、実はより改善したり抜本的な改革を考えようとしても、出てくるものは金太郎飴のようにどこかで見たものしかない。おそらく白紙のキャンパスを渡されて、自由にあなたの好きなものを描いてくださいなんていう課題には、めっぽう弱いのはそのせいだ。だから残念ながらよりよいものを探し求めるという思考が、実は全くより良い答えが出ない回路に成り下がっているんだよ。だから正解なんて探す回路は今すぐ封鎖してしまったほうがいい。それができないまでも、あなたのやってきた論理的思考はそれぐらい猛毒をもったものであることだけは、頭の片隅においておいたほうが良い。たいそうショックだろうけれどもね。

自由な発想

よしわかった、これまでの枠にとらわれずに自由に発想してやろう、なんて考えているだろう。残念ながらその時点でその枠に囚われてしまっていることに気がつくかな。あなたにとって自由の定義は、既存の枠から抜け出すことでしかないのなら、その枠がないと自由になれないという意味でもあるね。それも実はこれまでさんざん考えてきた、いつものやり方と何ら変わりはないわけだ。そこでちょっと焦ってしまうだろう。あなたは普段熟考を重ね、十分な資料を調べ、あらゆる可能性を算出して最適解を導き出してきたと思ってきたのに、実は枠に頼らない自由な発想ですらどうやればいいのかわからないぐらいの能力しか持っていないからね。科学や歴史、宗教や精神世界など様々な書籍を読み、それぞれにハッとする感銘を受けてそれが自らの頭脳の糧になってきたと思いこんできた。けれども、真実は未だ何らかのガイドがないと一人で歩くことすらままならないわけだ。

フレーム

枠にとらわれないということは、実は自ら枠を組み上げること。先の白紙のキャンパスの話だと、別に破り捨ててもいいわけだ。ちょっとウィットに富んだ風刺画でも描かないと格好がつかないとか思っている時点で失敗だね。そうしてそれが失敗だと正解ばかり探し続けた回路がすぐに答えを導き出す。何も苦手なことをやる必要はない。現状分析して、KPIから弱点を洗い出してそれらを補強する戦略をたて、そこから戦術へ落とし込むための予算案とアクションプランを考えるなんて、全部ムダなことだよ。それでうまくいった試しがないんじゃないかな。いやいやそれでこれまでなんとかやってこれたと思っているだろうけれども、同時にそうでないケースを実証できないのだから証明しようがない。そもそもその枠組が立ち上がったことが一番の要因だと気づいたら、自由にほんの少し近づけると思うよ。