期限切れ

日々

迷子

もう何も信じられなくなって、手元の地図の通りに歩いてきたというのに一体なぜここにたどり着いたのかわからない。だからもうこの世の終わりのように感じて自暴自棄になったり、絶望したりするのが人間という生き物の特徴みたいになってしまっているね。どこかわからないところまで歩いてきたという事実はそこにどーんと広がっているというのにね。あなたの夢や希望がこの広い世界で唯一のものだと思い、それに従って歩くことだけが幸せで正しいことのように思い込んでいる。だから、その途中で大きな流れに逆らってとても苦労して、満身創痍で必死に歩いてきた。そしてそうしてきたあなたは特別ですごいんだという過去の栄光にとらわれ過ぎているだけなのに。とりあえずたどり着いたそこの周りをよく見てみよう。もしかしたらあなたが絶望だとかこの世の終わりだとか思い込んでいるだけで、意外や意外、なんとなく心地よくてお気に入りの場所になる前に決めつけているだけかもしれないよ。

置かれた場所

置かれた場所で咲きなさい、なんていう書籍が少し前に流行ったからといって、その場所で咲かないとやっぱり失敗であり不幸だと、ろくにその書籍が伝える真意も理解しないまま決めつける癖がある。どこでそんなふうに考える癖がついたんだろうね。上を見ればきりがないし、かといって明日食うにも寝るにも困り果てている状況でもない。それでも、もう生きる価値がないなんて考えてしまうのは、ある意味とても狭量な世界に身を置くことが大好きなんだろう。周りがよく見えなくなっているだけで、それは自らよく見るために何ができるかを閉じ込めている。そういういらないものは大掃除のときのように少しずつ捨てていけばいい。だめなものはだめなんだから、次の作戦を立てるだけなのに、それが世界のすべてのように見えるのはあなたがその他の広大な世界があることを薄々感じているからなんじゃないかな。舞台セットの裏側にはいろんな大道具や小道具があることが見えたら、その演技は台無しになるからね。

節目

もちろん日付を区切ったところで何も変わらない。けれども、多くの国では暦上の年末という風習があって12ヶ月で一旦区切る文化に乗っかって、部屋の掃除だけでなく、あなたのその世界観もついでに整理してみよう。綺麗サッパリ夢や希望と思い込んでいるそれらも、一つ一つ捨て去ることで成仏させてやれる。やってみたけれどもだめだったものは、食べてみたけれどあなたの口には合わなかったというだけだ。それと同じでやってみたけれどもしっくりこなかったなら、それは今じゃないわけで一旦手放すのがいい。それなのに、まずいと思いつつ食べ続けるから無理がたたるわけだよ。優しくない人に優しさを求めるのと同じで、無理なものを抱え続けるとどんどん狭苦しい世界に押し込められるだけで誰得って感じだね。見栄やプライドなんかも、それで力強く演じられるのならまだ効果が残っているけれども、逆に自信を失ってしまうのなら早く捨てるべきものだ。お魚のお刺身はとても美味しいけれども、時間がたてば腐ってしまい誰にとっても毒に化けてしまう。それと同じだね。