なんとも言えない想い

日々

観測者

現代の量子力学では、観測した瞬間に物事が確定するらしい。見たらそう見えるということだね。まだ見ぬものは不確定であるということ。見るというのは人間の感覚器官である目を通じて光をキャッチし、その刺激を信号に変えてあなたの脳の意思によって映像に変換される。ということは意思が物事をすべて決定していることになる。それを聞いてあなたは色めきだつ。もしかして強い意思でもって物事を見ることができれば、すべて思い通りに行く可能性があるかもしれないからね。ところが実際は意思が決めると言っても、あなたの意に反したことばかりでどうやら無関係に物事は見える。それは、ちっぽけなあなたの意思ではなく、宇宙そのものの意思によって決められているようだね。だからあなたが観測者だとしても、思い通りにすべてを決めていけるわけではない。ということは、あなたの意思なんていうのも幻想であって、その正体は宇宙全体の大きな意思の一部がそう見えているということになる。それを神だと呼んでいるのかもしれないね。

メインキャスト

どうやらあなたがあなただと自我をもっていても、それすらそうなるように仕組まれた世界のようだ。すなわち、あなたが幻ならばあなたの思いなんていうものはそもそも目からの信号を思い通りに変換する能力を持ち得ない。それよりもおそらくは大きななにかが、大きな意思をもって映像を生み出しているようだ。それを法則とか真理とか言ったりするんだろう。計り知れないそれが生み出す数々の現象であなたはうごめいている。ただ間違いないのはあなたも地球の一部であり、その地球は宇宙の一部であることだ。なぜならあなたも友達も愛犬も猫もみんな元はと言えばクォークでできており、それは宇宙を構成する最小の物質であるからだね。見かけや性格であれこれと品定めしているのも、宇宙の法則といえばそう言えるかもしれないけれどもね。

またとない

その多様性はおおよそ検討もつかないぐらいに散らばっている。このちっぽけな地球上でさえ似たような人はいるようだけれども、よく見ると実際には同じものが一つもない。広大な森の木の葉っぱでも見つけられない。もちろん動物も植物もあなたの観察で似たようなもの同士を分類することができるけれども、いつも食べているりんごでさえ、あれほどの数があるというのに全部違うね。もう多様性とか個性とか言っている場合ではない。それなのに、宇宙はもとは一つであって、それがバラバラになって様々なものを生み出している。バラバラなんだけれども母なる宇宙は一つだと言う。もう何がなんだかよくわからなくなって、ふと夜空を見上げたら、無数の星が瞬いている。星もあなたも同じ成分でできている。空に見える星は想像を絶するほどそれぞれが遠く離れているというのにね。とても信じられないけれどもなんとも言えない気持ちになるのはなぜだろう。やっぱりある意味、宇宙人だからなのかな。