幸せのタネ
気遣い
気の合う人と一緒にいると実に楽しい。あるいは、好きなことに没頭している時間がこの上なく愛おしい。それを知ってしまったが故に、そうでないときがそれまでよりも耐えられないほどの苦痛を感じてしまう。そんなときは、もうひとりのあなたを演じてみるのがいいね。もちろん無理がない範囲なのは前提としてあるから、なんでもそうだけれどもやりすぎには注意しないといけない。それで体調を崩したり病気になってしまうのは得策とは言えないからね。気のおけない友人と一緒にいるときは実に心地よくご機嫌だけれども、それはあなたの特に悪いところも包摂してくれるからだ。それ以上にあなたの良さを知ってくれているという安心感で、あなたは存分に甘えることができるからね。でもそこまでではない人は、あからさまにあなたの悪いところを嫌っているわけだ。でもこれは実に有用な示唆に富む指摘であって、普段見ないふりをしているあなたが見つめ直すべきところをわざわざ浮き彫りにしてくれている。そこにはあなたがワンステップ進化するポイントがたくさんあるわけだ。
耳が痛い
あなたが気にもとめないような薄い関係の人は、あなたがいつも目を背けて聞きたくないことをわざわざ伝えてくるわけだ。あなたとしてはそこが一番の弱点であるからこそ、もはや怒りでごまかすしかない。そんなことを言うやつは友達でも知り合いでもなんでもないと言い放って、逃げ出すことを怒りで隠そうとする。それであなたは、そんなことをあなたに投げかけた相手が悪いと断定して、なんて気分が悪い日だと思いこんで溜飲を下げようとしている。さらにそのことを根に持って、そういうあなたにとって不快で不幸をもたらす彼らから距離を置こうと決心する。あなたはいつの間にか、気の合う仲間を探す旅に出て、それ以外を徹底的に排除しようとするだろう。けれども、気の合う仲間は、あなたの良いも悪いも含んでくれているだけなんだよ。だから、特にあなたのことをわかりようもない状況での、あなたに対する指摘はあなたがさらに幸せになるヒントにあふれている。
アウェー
そうやって、居心地の良い場所で暮らすという選択も決して悪くないよ。でも、それがとても狭くてもっといろんなシーンを経験したいと思うならば、ホームからたまにはアウェーに出かけるべきだ。誰もあなたのことをなんとも思っていない環境の中で、あなたがあなたを見つめ直すとき、あなたは本当の幸せを手にすることができる。ホームシックなんていうのは、いつもあなたを無条件で受け入れてくれる場所があるという証拠だね。それは離れて初めて気がつくわけだ。あまりに距離が近すぎると全体像が見えなくなる。知らない人の世界でつらい思いをしたくないと思っているかもしれない。けれども、実は知らない人ほどあなたを向上させてくれる課題を与えてくれるね。そう思えば、不快や不幸なんて単なる視野が狭かったから生まれたに過ぎないことに気がつく。そうするとすべてが幸せのタネにあふれている世界が現れる。ただし、悪意のある言葉は受け取ってはならないし、そういう人からは離れることは大事だ。でも、それも目がなれると瞬時に見分けがつくようになるから大丈夫だよ。