結果オーライ

日々

絵に描いた餅

あなたが思っていたとおりに物事が進んだことはほんの少ししかないね。ほとんどが予定外のことが突然起きたり、やろうと思っていてもなんだかやる気が出なかったり、まだ時間があると思って放置したりして、気がつけばあっという間に今年もあともう少しだ。ああ、いつものことではあるけれども、どうしてこうもうまくいかないんだと驚愕するのが毎年この時期だろう。そう言えば去年もそうだったし、一昨年もそうだった。なんて進歩のない人生なんだと自暴自棄になるかもしれない。それはあなたが勝手に目論んだ計画であり、目標でしかないからだよ。もっと大きなところで宇宙全体は動いているわけだし、なにもあなたの都合に合わせて世界が回っているわけではない。そんなことは重々承知の上で、もうすでにまた来年の抱負なんて考え始めている。そうやっているうちに来年がすぐに来てしまうという恐れからいつもそうなるわけだ。

逆転の発想

でも、それでいいんだよ。そうしてちょっと逆転の発想でもう一度振り返ってみよう。確かにあなたの計画とは全く異なった結果になっている。けれども、計画にはまったくなかったハプニングがたくさんあっただろう。そうだ、そのせいであなたの目標は1ミリも達成しなかったとしても、予想もできないことばかりバタバタと起きていたのにも関わらず、今あなたはこうしてそこにいる。ああ、今年もいまいちだったなと言えるぐらい何事もなかったかのように、次々と起こるそれらに逃げたり、正面から向かったりしてやり過ごしてきたわけだね。もうそれだけで冒険活劇だし、エピソードの事欠かないぐらい刺激的な物語だ。あなたの当初の目論見からすると何一つ達成できずじまいの不完全燃焼だったという評価になるかもしれない。ただ、それ以外の功績はもはやヒーローのそれと同じと思えないかな。

今を生きる

それでもあなたは望む人生なんぞは、このペースで進んでいくならあっという間に終わりを迎えてしまう。だから、いつまでたっても叶うべくもないと絶望しているかもしれない。そもそもあなたがそれを望むのはのっぴきならない深い理由があるのだろうか。ただ単に周りよりいい暮らしをして自慢したいからだとか、もっと気楽に何も考えずに過ごしたいからだとか、所詮そんなレベルの計画ではないかな。そもそも生きている意味を探す病にかかっているのなら、それを治療したほうがいいね。苦しみの構造はもうわかっているはずだ。なんともない暮らしに耐えられないから、わざわざ自らがそうやって苦難を生み出しているだけだね。ただ、病であるならば治療したほうがいい。痛いのなら痛みを和らげるあらゆる手段を用いたほうがいい。ただそれだけのことだ。そういう意味ではこの上ない最高の人生をずっと前から送り続けているわけだよ。来年もその先もずっと最高である証拠は、明日のことさえ予想すらできないという事実だ。そういう意味では、これまで一度もワクワクしない日なんてなかったわけだよ。