星のあなた
移動させる
邪魔なものは物置にしまったり、断捨離がブームだからいっそ捨ててしまって綺麗サッパリするほうがいいと思っているね。確かにきれに掃除したり、片付けたりすると心が落ち着く。それはそれまでその邪魔なものやホコリや汚れがあなたによって違う場所へ移動させられたことで、他のホコリや邪魔者を受け入れる余地ができたということだ。え、きれいに掃除して燃えないゴミに出したのに、と思うかもしれない。でも究極にはあなたは何かを変えることは何もできない。ゴミで捨てたところで、そのゴミは焼却炉で燃やされ、燃える成分が待機中にある酸素と結びついて大気中に放出されて見えなくなっただけで、総量は質量保存の法則で地球の重さは変わらないね。あなたができることはそうやって目の前から移動させているだけなのに気がつくだろうか。
自然の一部
そうやって邪魔なゴミや不用品をどんどんあなたの視界から遠ざけることで、スッキリしている。けれどもトータルでは何一つ変化はない。姿形が成分となってどこかへ撒き散らすだけで同じことだし、地球の一部であるあなたやあなたの子どもたちも同じ成分でできているわけだ。地球にないものや、宇宙からやってきたものでできているわけではない。もし宇宙に飛び出して地球以外の惑星で暮らすことができるようになれば、おそらく体内の成分素性も少しずつ変化してしまうのか、それはまだ誰もわからないことだね。ということは逆に、今ここにあるものはおそらく宇宙にあるものすべてだろうとも言える。あなたが苦手な虫も、可愛がっている猫も、実は同じ自然の一部、すなわち地球のあるものからできている。さらに地球はこの宇宙の一部でもあるから、宇宙の一部と言っても差し支えないはずだね。
マクロとミクロ
スケールを大きくすれば、あなたは星の成分でできているともいえるから、星の一部でもあるわけだ。あなたが今夜見上げる星空はあなたの写し鏡でもあるね。もちろん太陽を始めとする恒星は恐ろしく反応して燃焼しているから、あなたはそこに近づくことさえできない。でもそれはあなたが物質として燃焼すれば同じことになるわけで、反応は違えど化学反応であれば永遠ではないね。あなたの中で太陽のような反応はないけれども、スケールを極小にすれば例えば一つ一つの細胞内にベルトコンベアーやロボットは備わってはいないね。そこにも化学反応ですべてをコントロールしている世界がある。やっぱりあなたは宇宙そのものだと言っても差し支えないと思うよ。