手を動かす

日々

一息

年末だからとかではないものの、毎日あれこれとバタバタしてあっという間に日が暮れるね。もちろん冬の時期は秋の日のつるべ落とし以上に日が短いから余計にそう感じるのかもしれない。そうやって一通りのことが年内に片付いたら、ほんの少しの束の間の穏やかな日々が待っている。もちろん年末年始が稼ぎ時の商売をしているならば、そういうわけにはいかないけれども、いわゆる業種によっての繁忙期が異なるだけで、ずっと忙しいわけでもなく、忙しい中にも少しホッとできる時間が必ず探せばあるはずだ。その瞬間もあっという間だけれども特別なひとときなのでなぜか記憶にしっかりと残る時間でもあるね。

慌てない

急いては事を仕損じる、なんてことわざがあるようにたいてい自分でも信じられないミスを犯すのはこういうときが多いね。慌てて何かをするのは経験的に良くないことがわかっているのに、一方でそれでも急かす社会の構造がある。あるいは、時間が無駄にならないようにギュウギュウにスケジュールを詰め込んで、結局それらが押しまくってどうしようもなく最後の予定なんかを切り捨てたりしている。それならはじめから予定そのものを調整すればいいものを、なぜか余裕を持ったそれは「損」するような気にとらわれている。おかしなもので、その結果はきちんと予定を一つ飛ばすという「大損」しているわけだ。それも手や体が実際に動くスピードを見誤っているからそうなる。

暴走思考

だからといって暇にしてしまうと、今度は不安に苛まれて気持ちが落ち着かない。それどころか余計なことばかり妄想して良からぬことさえ考えてしまうようになる。頭の中の世界ではおそらくあなたは万能の神のように思っているかもしれないけれども、実は色々と不具合が多いね。あなたもやっぱり自然界の動物の一種であって、それ以上でもそれ以下でもない。その証拠に、不安に駆られてどうしようもなくなったら、とりあえず手を動かすといい。昔からノートに日記を書いたり、編み物をしたり、プラモデルを作ったり、家事全般の掃除や料理なんかもいいね。それらはすべて手を動かしている。手を動かすことで実は暴走気味の思考のスピードを遅くできる効果がある。あるいは散歩や運動もいいね。それも同じようにあれこれ考えるスピードを制御している。つまりあなたはやっぱり自然界の動物なんだということを再確認させられるわけだ。そうやって脳だけでなく体を動かすことで心の安定が得られるから、手を休めてばかりでもいけないということだね。