火元
自信
すぐに怒鳴りつけたり怒る人は、自分に自信がない証拠だとよく言われる。他人の行動が自分の思い通りにならないということを受け止めることができないからだ。仮にそうでなくても怒ったり怒鳴ったりすることでなんとか自分を保とうとしている。そんな人からは距離を置くか、できれば見えなくなるところまで逃げたほうがいい。なぜならあなたが何を言っても聞き入れることができない状態だからね。まさに怒りという炭火を自らの手で握りしめてあなたに投げつけようとしている。そりゃその手は大やけどになってしまって、痛みに悶え苦しむのは当然だね。
自身
その怒りの根本は、おおよそ単純で自身が正義で、あなたが悪魔だという構図でしかない。ようするに当人はまったくもってすべてが清く正しいと信じて疑わない。それに比べてあなたはすべてが間違っていると思い込んでいる。何を正しく思い、何を悪く思うかなんてそうやって恣意的に自身が決めつけているだけなのにね。そんな単純な構図で怒りにふるえているわけだ。そうするとやがてその瞬間的な自身で起こす怒りの炎に常にさらされることになって、いつもどこかが焼けてしまっている。その悲痛さは計り知れないものだろう。そうなるとやけどの傷口だらけの体になってしまうから、仮に風が吹いても、小さな虫がとまってもさらなる怒りの炎を燃やし続けることになる。
業火
したがって、怒りそのものが悪行そのものとなるわけだね。怒りをコントロールするということは、悪をコントロールすることにほかならない。自らの悪をコントロールできなくて他人にぶつけてしまう状態が、怒りっぽい人となる。だからこそ焼き尽くされて灰になるまで待つしかないわけだけれども、その前にあなたに延焼しないように自らの身を守る必要があるわけだ。もちろん水をかけて消そうにもたいていは逆効果になるからやらない方がいい。なぜなら火元は当人が起こしているわけだから、消えそうになったらまたさらに強力な炎を生み出してしまう。けれどももしそれをやる必要があるのならば、だからできるだけ離れてからにしたほうがいいね。一番鎮火できるのは第一発見者である当人だけなんだからね。