それほど大きくない
水槽の中
もし仮にあなたが水槽の中で暮らしていたとしよう。その中で日々いろんなことが起こる。それはあなたにとっては嬉しいことであったり、悲しいことであったりするだろう。でも水槽の外からあなたを眺めているいる何かがいるとしたら、おそらく何も変わらぬ平和な時間がそこに流れているように見えている。それと同じように地球という宇宙船でたくさんの人々が暮らしていて、地域によっては最悪な状況で人生を送っているかもしれない。そんなことをずっと憂いでいるあなたもその船に乗っているわけだ。もし宇宙の未確認生物が存在して、あなたと同じように何かを見つけて思考できる力があるとしたらどんなふうに地球は見えているんだろうね。青くてきれいな星だなぁと羨ましく思って見つめているかもしれない。その一方で同じようにあなたは地球から眺める星空を見つめて、その美しさに心を奪われている。
視点
現代ではそんな星の動きも理屈があって、太陽はいつも東の空から昇って西の空に沈むように見えるけれども、実は動いているのは地球の方で太陽は動いていないと説明するね。そうやって教科書に書いてあるけれども、いまいち実感がわかなくて実は理科でも天体の分野はさっぱり不得意だったひとも多いだろう。だって単にあなたから見えるそれと、説明が逆になっているからだね。そう言われたところで実際に宇宙空間に飛び出した経験があるわけでもないわけだからある意味仕方がない。だから頭の中で現実に見える現象と、あなたが仮に宇宙に飛び出したときに見えると思われる現象をとっかえひっかえしてようやくなんとかそういうものなんだという納得がいくわけだけれども、それ自体が空想の中なので「あ、なるほど」と確信を持つまでには至らないね。だからいつもと同じ感覚で理解ができないから結局は苦手となるわけね。
トビウオ
水の中の世界しか知らない他の魚たちと比べて、トビウオはその外側に違った世界があることを知っているね。両生類のカエルなんかもそうだ。幼い頃は水の中で暮らし、やがて成長すると陸上で暮らす。他にもそんな動物は何種類か散見される。ヒトは陸、海、空もすべて知っていて、さらに空の向こう側に宇宙空間があることも知っている。ただ宇宙の果はどうなっているかは壮大すぎて専門家に任せているひとがほとんどだ。それはまさに想像を絶するスケールだからもはやどうでもいいわけだからね。人生は身近な数メートルでほとんどが事足りるようになっていて、それ以上はよくわからなくても大きな支障はないようにできている。その中での苦しみや悲しみもまた、それぐらいのスケールだと思えたら、とても辛いこともなんとなくクリアしていけそうに思えるかもしれないね。