あなたなり、それなり
ライフハック
おそらく一瞬で終わるように感じる人生に向き合うために、より快適に過ごすことができる方策がライフハックだ。断捨離とかミニマリストとか、豊かさ故の反動であったり、生活を便利にして時短するための家電製品であったり、捉え方や見方を変えることで不快な時間をできるだけ少なくする方法など、今ではいろんなことが情報として手に入るね。それでうまく行っている人を見るたびに、あなたはあなたであることを諦める。そしてそのとおりにやってみたりして常にブラッシュアップすることが基本姿勢となっているね。いわゆる「意識高い系」と呼ばれる人に属したくてやっているわけだが、その事自体が実は不幸を呼び寄せる原因だということは、薄々気づいてはいるものの、それがトレンドだからと必死に食らいついて無理をしているんじゃないかな。そうなるとライフハックを上手にやることが目的になってしまい、本末転倒なんだけれどもね。
あなたはあなた
もちろん、誰かのマネをすることが学びの始まりではある。それによって一部生活の質が良くなって快適に過ごせることもあるだろう。ただ、それがどうしてもできないからといって、人生がすべてオワコンになると考えるのは早計だね。あなたにはあなたのペースがあるし、あなたのやり方もある。世間では無駄だと言われていることでもあなたにとってはとても快適だったりする。だからすべてをマネすることもないね。理想を言えばいいとこ取りをすればそれで十分だし、憧れのあの人とまったく同じになる必要もない。ところがなぜだか全く同じでないと気がすまないようになってしまうことがある。そのときあなたはあなたであることを放棄している。多くの人が素敵だと言われるブランド物のバッグがどうしても欲しくなったり、高額な家電でしか快適にならないと言われて無理してそれを手に入れる。それで多少便利で時短が可能になったところで、そのためにあなたは辛く苦しい仕事を続けなければならないとすれば、一体何をやってんだかという状態に陥ってしまうわけだ。
キャッチアップ
かと言って、そういった情報にふれることをやめることも難しいね。なぜならあなたの関心がそこにあるわけだし、あなたなりに快適な時間を増やしたいと思っているからだ。そんなときに注意しないといけないのは、それしかないという思考停止になっていないかどうかってことだね。そのとおりだと思ったとしてもそれを手にするための代償も含めてのライフハックなわけだから、視野狭窄に陥ることは避けたほうが良い。それが結局一番の不幸のタネだからだ。資本主義の世の中では隣の人が持っているものが欲しくなるようにできていて、そのことで欲望加速システムが作動するようになっている。それがないと惨めに感じるようになってしまう。果たして本当にそうだろうか。同じようにマネができないと快適にならないのなら同じような人だらけの社会にすれば良いという結論になってしまう。そんなことはない。不便を楽しむことで得る幸せも十分にそこにはあるし、その結果あなたなりのライフハックが生まれるわけだよ。