あなたの中身

日々

部品

身近にあるどんな機器でも、分解してみたらたくさんの部品からできている。そんなの当たり前だと思っているかも知れない。でも、もし機会があれば危なくない範囲で分解して実際に見てみるといいね。よく考えてみれば文明の利器と呼ばれる日常を便利に支えてくれる色んなものには、一見何も見えないように装っているけれども実は単純な回路の集合体だったりすることが実感できるだろう。もちろん、そんな仕組みには疎くて、全くよくわからなくても、特に気に留めることもなく今もあなたに快適な暮らしを与えてくれている。例えば車を運転する免許は持っていて、遠い昔にエンジンだのトランスミッションだとクラッチだの言葉は習ったね。それで、一応仕組みも教本にあったのは間違いない。でも、ぶっちゃけよくわかってなくてもいつも車をスムーズに運転できている。技術というのはそういうよくわからないことを組み合わせて、しかもそれらをきれいに覆い隠して誰でも便利に使えるように洗練された集合体というわけだね。

オートマチック

現代ではさらに進んで、もはや運転も自動になりつつある。もちろん様々な予見できない事例においては期待通りに動作しないという課題もたくさん残されている。そしてこれらが完璧になることは現状ではなかなか難しいみたいだね。その一つの解決策としては、既存の列車のように道路にレールを敷いてしまえばかなりの安全性が高まるね。その道路も意図しないものが横断したり天候に左右されないように外部からチューブ状に遮蔽したり、隔離してしまえば、さらに安全性を担保できて自動化は進むのはわかっている。でもそうしてしまうと、その隔離された道路がない、いわゆる道なき道を進むことはできなくなる。地図に載っていない場所には行けなくなるというわけだね。安全を取るか、冒険を取るかみたいなことがまさにこれから問われるだろう。そして、もしかしたら近い将来、ちょっとした脇道にすら逸れることすら許されない社会になってしまうかもしれないね。

あなたの部品

気がついたらあなたもすでに人生のレールをなんとなくたどってしまっているかもしれない。これぐらいの年齢になればこれぐらいの地位と豊かさがないといけないとか、老後2000万円ないとダメだとか、誰もいなくても誰かが見ているかも知れないからマスクは外せないとか、結婚適齢期だとか、おそらくは枚挙にいとまがないんじゃないかな。でも、それって本当にそうなんだろうか。道なき道を行くと落語者の烙印を押されて、まるで群れからはぐれたならず者なんだろうか。あなたはあなただと確固たる自我は主張する一方で、その内容のほとんどは誰かに聞いたり、どこかで見たことばかりに支配されてはいないだろうか。それなら結局はあなただと思っていることはすべてあなたではないものでできていることになってしまうね。