叶わないままでいい
騒ぐんじゃない
いちいち出来事にあれやこれやと反応して、良いだの悪いだの、幸せだの不幸だの、ついてるだのついてないだの、そんなことばかり毎日繰り返している。ちょっとあなたから離れて見ればとても滑稽なことだと気がつくはずだ。そもそも、そうやって毎日を繰り返して過ごせている事自体が奇跡だというのにね。すなわち、様々な困難が次から次へとやってくるとしても、それはそれで結局の所あなたがまさに生きているこということであり、それですら叶わない人からすれば、人生ってそういうところが素晴らしいんだよね、と言われたらぐうの音も出ない。あれが好き、これが嫌いなんてわがまま放題やれることが幸せそのものであり、泣きながらでも笑いながらでもやってきたトラブルに向き合えるのは、あなたがこの世からいなくなったらどう願ってもできないことなんだから。
豊かさ
ネットで世界中とつながって、いつでも必要であればスマホで遠く離れた友人とも連絡が取れる。ほしい情報があれば検索すればズバリ求めている情報が得られることも多くなった。そう、とても便利で豊かになればなるほど不平不満が大きくなっていく。だからといって今日食べるのも困窮するぐらいに貧しくなるべきと言っているわけではないよ。ただ、悩みごとがたくさんあってもう死にたいと思える余裕っていうのは、豊かさそのものであることに気がつくだろうか。あなたが思う理想の世界とは程遠い現実に直面して、なんて不幸せな人生だと嘆くことは豊かに生きているからこそできるスゴ技であって、生きるのにすべての命を燃やしている動物たちと比べるべくもないほどあなたにはその余白が備わっている証拠だ。その余白をどう使うかが、あなたがほんとうの意味で豊かに生きられるかどうかが今の時代試されるようになったまでだね。
欲望は幻想
だからこそ、いつも足りないし、気に入らないことばかりに囲まれていると錯覚してしまう。あなた以外の幸せな世界を夢見て、いつかあなたもそうなりたいと思える幸せがそこに浮かんでいるだけなのに、あなたはそれを正直なところ今すぐ手に入れないと不公平だと思っている。お腹を減らしたライオンが、最後の力を振り絞って獲物を狩っている。生きるか死ぬかの瀬戸際で首尾よく獲物にありつければさらに命は延長される。けれども失敗すればゲームオーバーだ。その本能的な食べることを文明社会はレジャーに変えた。そしてあなたはあれほど食べたかった食事をしたとしても、ガツガツ食べてろくに味わう余裕もなく満腹になって終わる。待ち焦がれて恋焦がれたその強い欲望は一瞬のうちに消滅するわけだ。ということは、仮にあなたがなりたいあなたになったところで、なった瞬間に同じことが繰り返されるわけだ。だから、願望や欲望や良いことや誰かの幸せなんて叶えてしまうと不幸になるということだね。そのままにしておいた方がいいんだよ。