すでになにもない
逆転
中心というか真ん中に何を置くかで世界が一変する。あなたはいつもあなたがまず中心にどかんと居座っていて、あなたが思ったとおりにならないことを不幸だと捉えている。あなたが目覚めると世界はぱっと展開されるわけだし、あなたが眠ると世界も眠るわけだからそうなるのも無理はない。ところがそれを逆転してみるとどうだろう。世界が先にあって、その中にあなたがいる。だからまずは世界ががらっと変わることであなたも変わる。あなたが何かをコントロールできるわけではなくて、むしろあなたはその変化の間にたまたま生まれた泡のようなものでしかない。だからあなたにとって都合がいいことが起これば単にラッキーであって、それ以外を不幸だとか言う主体ではない。そこにあなたが介在することなんて何一つないわけだから、あなたが中心だと思いこむこともできないね。
支配
さて、そうなるとあなたはどちらが真実なのかと悩み始めるかもしれない。それ自体があなたが中心であるということを意味する。あなたはそれを選択することができると思っているし、何ならそれをあなたのパワーでコントロールすることができると考えている。そういったことから、あなたは常にあなたの思い通りにこの世界を操ってやろうと試みていることが浮かび上がってくるね。一方で思い通りにならない人生を憂いでいる。だってあらゆることがあなたがコントロールできないことばかりに直面するからだ。何が真実かというよりも、むしろ本当にあなたは何かができるパワーを兼ね備えているのかをチェックしたくなるだろう。いつからそんな勘違いが生まれてしまったのだろうと振り返ってみても、どうにも思い出せそうにもない。
空
大きな乗り物に乗って、あなたは窓の外を見ている。そこにはいろんな風景がどんどん変化し続けている。その窓を見てあなたはあれこれと想像を膨らませている。きっとあれはこうなっているんだろうとか、あそこからみた景色はどのように見えるのだろうとか、そんな風にあなたの思いをそこに重ねている。それは飽きることもなく楽しい。さらに実際に答え合わせなんて必要のないことばかりだね。あなたの夢をそこに重ねているわけだから、あなたが好き勝手に作り変えることができる。まるで物語の作者のように、映画の脚本家のように、そこにあなたを投影している。それは実体がない幻想であり、あっという間に過ぎ去ってとどまることもない。そしてそうだからこそあなたの心はとっても安心していられるし、幸せな時間が流れている。もしそれを実体のあるものと答え合わせをしてしまうととたんにすべてがデタラメであることが判明してぶち壊しになる。つまりはそういうことだね。