考えても無駄
注目
いつも何かを大げさに注目している。それは今あなたが気になることに対してだね。それが楽しみにしている旅行計画しかり、予約したレストランのメニューだったり、近々手に入る念願の道具だったりと楽しいことも多けれども、一方で、これから先のあなたの処遇がどうなるかとか、近々査定会議があるだとか、試験の結果が発表されるなんていうまだ起きていないけれども、希望通りにならないのではないかと思っていることも含まれてしまう。あなたが注目すればするほどそれらの妄想たちはどんどん膨れ上がってあなたを苦しめ始めるわけだ。でもおかしな話だね。だってそのすべてはまだなにも起きてもいないことばかりだと気がつくだろうか。例えればお腹が空いていないのに無理やり食べようと考えたり、喉も乾いていないのに乾くとたいへんだからできるだけ飲んでおかなきゃと思っている。そりゃ苦しいはずだね。
対応能力
そんなことより、あなたは今出かける準備を淡々とこなしている。きちんと身なりを整えて、髪型もセットして、お気に入りの洋服のアレンジなんかもしっかりやっている。ああ、そういえば靴が汚れていたと思って、今ブラシできれいにしているところだね。それらは今起きている出来事に対する適切な対応であって、できるうる限りの全力で取り組んでいるからつつがなく進行している。あなたはまだ起きてもいないことばかりを考えつつも、今やらなければいけないことはなんなくパーフェクトにこなしている。まるで最先端で高度な自動運転モードのようにね。さらにそれらに対応するときのあなたには、能力不足で悩んでいたり、本当にできるかどうかをその場で考えあぐねて不安になったりしていない。臨機応変に十分にテキパキと対応しているね。
源泉
なら、いつもあなたを悩ませているその苦悩はすべて幻と言ってもいいね。まだ起きても、起こるかもわからないことをあれこれとあなた自身が最悪の想定のために生み出して、その恐ろしさにあなた自身が震えている。一体なんのためにそうするのだろうね。失敗すると取り返しがつかないからなのか、それがうまくいかないと人生が途絶えてしまうのか、何かと理由は今生み出すことができるだろう。けれども、そもそもどこにもまだ、そんな状態はない。あるとすればあなたの想像の世界にあるだけだ。それらが驚くべきことに毎日のあなたをこれまでも、そしてこのままだとこれからもずっと苦しめていくだろう。もはやそれはあなたが好きでそうやっているだけと言ってもいいね。なのにそれをまた他人や出来事にせいにしてさらに窮地に陥ってしまうわけだ。まったくもって、あなたはなにがしたいのだろうね。