一人ぼっち
悪癖
せっかくの楽しみをいつもの癖で、それには裏があるのではないかと勘ぐってしまう。勘ぐるとすぐに怪しいことを見つけてしまう。あなたはすでにかなりの腕利きの名探偵だね。だから、世の中すべてのことに対して真正面から捉えることができず、すべてが罠の中なんじゃないかと思うがあまりに、自らの罠に陥ってしまう。やっぱりそうだったかと自己満足して、楽しめるどころか憂鬱な日々と一変してしまう。そんな自作自演の中でずっとこれまで生きているからこそ、これまでもこれからもあなたの不安は解消されるどころか、それが定常状態となっているわけだ。仮にそういうあなたを傍からみることができるもうひとりのあなたがいれば、すぐに馬鹿らしくなる。そういう世界を自ら好んで作っていることだとすぐにわかるからね。
不足
なら、どうなればいいのかと改めて問われると答えに窮する。どれもこれもなんとなくあなたがそうなってほしいという根拠のない思いと願いしか語れないからだね。大げさに言えばこれじゃないとしか言えない。ではどうなりたいのかということを必死になって考えたところで、実はもうすでにほとんどはそうなっているからだ。そう、ほんの僅かな不安と不満をまるで大事のように大げさに一人で騒いでいるだけでしかない。でもそれと真正面から向かい合うのはあまりに怖いので、そこからはずっと目をそらし続けて、あれも足りない、これも足りないとつぶやき続けることでなんとかあなたを肯定し続けている。シンプルにその勘違いを手放せばいいだけだというのに。
認識
あなたが見たり聞いたりする世界は、あなたしかそれを見ていない。羨ましく思える友人も、かわいそうだと思う同僚も、腹立たしい隣人も、そのすべてはあなたがそれを生み出している。どこにも彼らは実在せず、あなたの世界にあなたが思うように出現しているかのように思い込んでいる。実際、例えばあなたにも多面性が備わっているのであれば、そうやって分類化して、いい人悪い人というくくりはどこにもないはずだ。どこかにその線があるわけでもない。ならそれを引いているのはどこの誰なのか。そこまで気がつけば答えは明白だね。そして実はすでにあなたも気づいている。でも、それを手放すという簡単なことがずっと出来ないままでいる。だって実はあなたしかいないという寂しさを受け入れがたいからだね。それもあなたの希望というか望みがまさに叶っているからだよ。