感じられるとは
空っぽ
あなたをどんどんミクロの世界で分割していくと、ほとんどなにもない空っぽだということが現代物理学で証明されている。あなたの世界では目の前に広がる世界があって、その世界には物質があって、木や石や水や花にふれる事ができる。そしてその感触でもって、やわらかかったり硬かったりひんやりと冷たかったりを感じ取れるね。それはある意味ミクロの世界からみれば奇跡に近いことだ。あなたの感覚器官はたしかにそこで働いていることを感じ取れるのだけれども、あなたが見えているそれらも中学生の理科で習った程度でも、原子核と電子の組み合わせでしかない。そして中性子や陽子のはるか遠くを電子が回っていると習っただろう。そしてその陽子と電子の距離が途方もないぐらいに離れていると。もちろんそれは簡易的な説明であって正確ではないけれども、それにしてもその時点で勘のいい子供ならば驚くべきことだと気がつくだろうね。さらに言えばあなたという肉体もそれと同じだと言うことだ。
粒の正体
ざっくりと物理科学の世界を習ったあとで、それぞれさらにその真相に迫る高等教育では、その詳細を解き明かすことになる。もうこの時点で勉強が苦手になっただろうし、そんな話はどれだけ取り組もうとしてもよくわからず諦めた人も多いだろうね。結論から言うとあなたはもちろんマクロの視点では木や水や石と同じ物質から構成されている物体そのものである。しかしながらそれは何でそうなっているのかとどんどん詳しく調べてみたら、小さな粒の塊であって、その粒と粒の間にはなにもない空間がほとんどだということ。さらにその粒というのも調べてみると、実際の砂粒のようなものではなく、ブルブル震えているなにかでしかない。もちろんこれを実証するための実験がすべてできるわけではないので、理論的に考えるとそうであろうというレベルでとどまってはいるけれどもね。
波動
人の耳はすべての空気の振動を捉えることはできず、ほんの僅かな帯域に限られている。しかも加齢に伴って主に高い音がどんどん聞こえなくなってしまうみたいだ。しかし、聞こえない音があるなんて日常生活ではほとんど感じることは難しいね。聞こえない周波数があるとしてもその人にとってはそれが欠けた状態での音がいつものことだし、人が発する声の部分やよく聞く楽器の音が聞こえない周波数と一致したときだけ、ちょっと何言っているのかわからないとかでちょっと気づくぐらいだね。音は目には見えないけれども、あなたを作っている構成要素としてはとても親しいものであることは間違いない。そもそもあなたの実在も、この世の物質も震えてるいるからこそあなたが感じ取れるわけだからだ。震えが止まってしまえば震えるあなたに見つけてもらうこともできなくなる。なんとなくないもがあるように感じるのはそういうところに秘密があるのかもしれない。