なすがまま
頑張らない
おそらく学校でも会社でも努力して頑張ることが美徳とされ、それによって評価されることが多い世の中だと思いこんでいるだろう。物心ついたときから、好きなことや得意なことばかりやっていると揶揄される体験が多くあって、苦手なことを克服することでステージが上がると思い込んでいる。夢中になって毎日やっている好きなゲームの世界でさえ、それを常にあなたに突きつけているね。だからあなたは、とにかく苦手を克服することで新しい世界が広がると信じて疑わない。もちろん、現実世界ではどうにもその気にならないという悩みを抱えながらね。でもそこに違和感を感じてはいる。好きなゲームの世界で頑張るとそれに見合った充足感を得られるけれども、あまり好きじゃない現実世界ではできることなら頑張らないでやり過ごそうと、色々画策していることだろう。
承認欲求
そんな風だから、どんな世界であってもとても辛い思いをして獲得したそれらを簡単に手放すことに強い抵抗を感じてしまう。そもそも手にしたそれらは実体があるようでないし、いわばあなたの世界においての成功体験であり自己満足でしかない。手にしたと思いこんでいるそれらを必死で守るために、それこそそれ以外のことを犠牲にすることも厭わなくなる。だからこそ、どんどん歪がそこで生まれてしまい、せっかくの充足もあっと言う間に不安にすり替わってしまう。ここまでのし上がってきたのであれば、もはやそれにしがみつく以外に選択肢が見えなくなるわけだ。おかしな話で、そもそもあなたは何も手にしてもないし、地位や名誉も偏った視点で見える錯覚でしかない。生まれながらに羨む才能と地位があるように見える人生と、そんなものにとらわれずにあなたはそもそも充足した人生とどちらが幸せかなんて比べるべくもない。
上善如水
水はそれ自体流れやすいところを流れ、重力という自然のチカラによって流されているだけだね。水そのものがあっという間に清らかに流れようとも、水たまりで淀もうとも、そこで不平不満を言うわけでもない。何か影響力や地位や名声を求めることもなく、どちらかというと流されるだけの存在でしかない。きっとあなたの世界では取るに足りない弱者そのものでしかないだろう。ところがときにそのままであっても地形を変えたり、大きな被害をもたらすようなパワーを秘めている。世の中のありのままで自然の流れをわかりやすくあなたにその姿を見せて続けているわけだ。あなたはその流れに従ってただなすがままにいることが最大のパワーを発揮できるポテンシャルをすでに持っているにも関わらず、頑張ることでその大いなる流れに逆らって自己満足を得ているとすれば、とても滑稽でしかないと知るだろう。