ずっと初心者

日々

すべて過去

今にありなさいと言われて、あなたはそれを概念として捉える。そして今にあろうと頑張ったところ、たまたまうまく行ったなら、あなたは明日も明後日もずっと今にあることが幸せの鍵だと思いこんでしまう。そこでどうなってしまうかというと、今にありなさいと言われてうまく行ったその日を決して手放せなくなってしまうね。ほら、もうすでに過去に囚われてしまっているわけだ。今にありなさいと気づいたときの記憶を今日も明日も明後日もずっと握りしめてしまう。そうやって言葉でわかったふりをしてしまうと、やっぱり過去に囚われて一瞬でも今にあることすらできなくなってしまうわけだ。このレトリックから脱出するには、今にあることではなく何もかも忘れてしまうということの方がその本質だね。

成功と失敗

そうやってうまく行ったことから逃れられないから、その後はどうもうまくいかなくなってしまうことに気づきにくいわけだ。だから、悟りを開くとか、達観するとか、そういうことにこだわっては本末転倒だね。誰かがそういったとか、こうやったら幸せになれたとか、そんなことばかり探し回ったとしてもうまくいかないのはそういうことだ。だから、成功体験はそのときたまたまそうなっただけであって、奇跡が起きただけだ。だから次も同じようにしようとか思ってはいけない。もっといえばうまく行ったという成功ですら、そのときにそう感じた刹那でしかなく、仮にそのとおりになったとしてもそのときのあなたは同じように幸せを感じられるとは限らない。なぜならあなたはもうすでに次の違う場所に立っているのだからね。そこに手放すことの真意があるわけだ。

まっさら

日々刻々とあなたは生まれ変わっていると思ったほうがいいね。たまたまうまく行った体験はできればきれいさっぱり忘れてしまう方がいい。その一瞬に魂を燃え尽きさせるように、日々目覚めたことに感謝しつつまっさらな気持ちで過ごすことが人生の本質なんだよ。うまく行ったとか行かなかったというのもよくよく考えてみればすべてが偶然であって、それが次も同じように起こるわけでもない。さらにそうなったところであなたはより不満をそこに見つけるだろう。レベルアップとかステージが変わるとか言葉ではそうやって表現することはできるけれども、そんなものはすべて過去がベースになっていることだね。比べる対象がなければそもそもそんなことすら思い浮かばないはずだ。体験は一瞬であってすぐに状況は変化する。そうやっていつもスタートラインからの出発を楽しめるようになることが一番の幸せなんだ。