見つからない眼鏡

日々

違和感

常にあなたは周りの状況を分析している。そしてほんの僅かな違和感も見逃さない。だから結局は違和感だらけの世界に生きることになってしまうね。どうも腑に落ちないというか、納得がいかないことに覆われてしまって、いつも不平不満を感じつつ、それを必死に飲み込もうとしている。だからいつも世界は灰色に染まって見えるわけだ。その抵抗は多くの場合どこにもいないあなたという自我がそれらを生み出している。ところがそれは全くの逆で、その違和感の正体はあなた自身がそうだからだ。あなたはあなたと意見が合わないと思い込んで抵抗しているつもりだろうけれども、実はあなたがその正体だ。そう言われても全く受け入れられないね。そう、受け入れられないことこそが、その証左なんだ。

疑惑

その最初のきっかけが、あなたが信じられないと感じることだね。なんだか怪しいとかどうも何か裏があるのではないかと、目の前の世界に対して素直に受け入れるどころか、ことごとく拒絶している。そうなったのも、ずっと思い通りになんてならなくて、あなたのほんの僅かな期待をずっと裏切られ続けてきたからだね。だから、どんなことであろうともすべてを訝しげに見る癖がついてしまった。一方で揺るぎなく信じているのは、あなたはあなただと言うことだけだ。よくよく考えてみればあなたは変幻自在にその時々にあらゆる変化をし続けている。そんな多面的なあなたであるにも関わらず、なぜかあなたはあなただけが唯一無二の拠り所だと信じている。あなたという軸があるわけでもないのに、あるように思い込んでいるからこそ、あなたから見る世界を常に疑い続けてしまっているというわけだ。

眼鏡

あなたの思いを大切にするあまりに、それ以外を軽んずる傾向にある。その歪んだ視点でできているのがあなたが見ている世界とも言える。まるで度数の合わないメガネをかけているようなもので、すべてがその歪みによって遠くも近くもぼやけてしまっている。それでもあなたは必死に目を凝らして見ようとしているものの、仮に見えたところで実在のそれとは全く異なる何かを見てしまっているね。そこから脱出する方法はびっくりするほど簡単なことに気がつくだろう。その度の合わない眼鏡を外してしまえばいいだけだ。ところが、その眼鏡をかけていることすらあなたは気がついていない。まさかあなたが見ている世界がそれを通して見ていたなんて思いも寄らないからだ。