夢は道しるべ

日々

思い出

あの頃はよかったなどと振り返ってみてしみじみ感じることがある。そう、なんて日だ、ついてないと今思っているだろうけれども、必ず数年後にあなたはよく考えてみれば幸せな日々だったと感慨深く思い出しているようにね。今日という日が一番若い日でもあり、一番良い日でもあるというのはそういうことなんだ。だから、今を憂う日々を送っているのはその伏線回収のためでもある。そう考えると体の具合が悪くなるほど思い詰める必要はどこにもない。将来の楽しみのための憂鬱であってあなたの体調や人生を破壊するほどに大きくしてはいけない。まるで少しの香辛料が料理の味を引き締めるようなものだからね。

大人になったら

子供の頃のあなたは、大きくなったらどうなっていたいかをずっと夢見ていた。それから数十年の年月を経てそれらの何一つも叶わないまま大人になったかもしれない。でも大人になるという夢は確実に叶っている。お金持ちになるとか、幸せな家庭を築くとか、かわいい子どもたちに囲まれているとか、なりたい職業で活躍するとか、数え上げればきりがないだろう。けれどもそのほとんどが叶わない夢のままだとしても、必ず叶っていることがあることに気がつくだろう。人生なんて99%思い通りにはならないことぐらいわかったふりをしているけれども、それらが今でも悩みの種としてずっと残っている。だから、総じて不満足でつまらなくて、不幸だという自己演出で飾り続けているけれども、それも数十年後のための仕込みぐらいの意味しかそもそも持っていない。

叶えない

なら、夢なんて持たない方がいいのかというと、そうではない。夢は叶わないから夢のままであり続けるし、それを追いかけることであなたは知らないうちにそれ以外の夢を叶えているわけだ。だから迷うこともなく夢を持ち続けていればいいね。ただ気をつけなければならないのは、夢を見ることではなく、夢を叶えなければ幸せにはなれないと思いこんでいることだ。多くの人が陥る間違いなんだけれども、夢は夢のままにしておくことが幸せの大前提なんだよ。夢が叶ってしまうとまた次の夢を生み出さないと不安になり、そしてそれが叶い続けるとしたら永遠に夢に支配される人生となってしまう。だからあなたはわざわざ叶わぬ夢を探し求めて、それを道しるべにしているだけだね。道しるべに対してどうこう言うのはナンセンスだということはすぐにわかるだろう。すなわち叶わぬ夢だと思いこんでいるそれは、真の意味では単なる道しるべでしかない。