涼しい顔

日々

情報化社会

あなたは寝転びながら、いつものようにスマートフォンでSNSに吐き出された様々な呪詛を眺めている。いつものようにくだらないことばかりつぶやいているなと、距離を置いて冷静さを演じている。冷めた目でそれらのタイムラインをざっと流しつつ、そういえば買い忘れていた雑貨を思い出す。そしてそのまま、ネットショップのアプリを開いて、カートに入れるボタンを押している。その横では、これまたすでにオワコンと呼ばれて久しい地上波TVが、これまたどうでも良いニュースをキャスターと呼ばれるよくわからない職業の人が声高に伝えている。この世の中のすべてのニュースがラインナップされているかのように報じているけれども、その裏にはスポンサーとか偉い人の都合の悪いニュースはことごとく葬り去られている。あなたはそれに違和感を感じつつ、これまたクールに世の中そんなものだと諦観している。

裏側

その裏側ではそれらを伝えるために膨大なエネルギーが休むことなく使われている。便利な世の中だとか、AIの時代だとか、キャッシュレスの裏側をあなたは覗いたことがあるだろうか。膨大なコンピューターが唸りを上げて24時間365日フル稼働している。それをずっと見つめている人もいる。何かあればすぐに駆けつけて壊れたパーツを取り替えるために。さらに次々と要求される処理に対応するために、さらに新しいシステムを構築すべく、せっせとコンピュータを積み上げてひたすら配線している。莫大な電力消費とそれによる発熱を抑えるための冷却装置はまるでマッチポンプの関係であり、しかもすべて電力で動いている。それらのための電源を途絶えさせない装置のために、その両方を収容する建物は堅牢であり、土地代が高いあなたのそばに建てることは難しい。だから、大きな野原で地盤が強固な場所を選定して建設する計画を進めている。そこにはそもそも住んでいる人は少ない場所になってしまう。いずれ自動化して無人化できるかもしれないけれども、実際はまだもう少し先の話になりそうだ。

テクノロジー

最近の社会のブームは、SDGsとかエコロジーだね。もはや大企業はそれらを無視して事業をすすめることすらできないようだ。現代社会のほとんどを支えている電力は、発電所が担っているのは知っているね。発電する方法はずっとシンプルで、何らかの熱でお湯を沸かして、その高温の水蒸気で大きな羽根車を回して得ている。その熱エネルギーを化石燃料で得るのか、原子力で得るのか、地熱で得るのかの違いしかない。風力や水力などもあるけれども、知っての通り風は気ままだし、水力はそもそもダムを建設する前提であって、環境に対する負荷が大きい。それなら夢の太陽光を電気に変換するソーラーパネルが一番良いのではないかと思うかもしれない。もちろんずっとお天気であればそれもありかもしれない。けれどもそもそもソーラーパネルの成分の希土類が環境に良くない。そんなに都合の良いエネルギーは残念ながらいまだ見つかっていないね。そんなことも知らないまま、あなたはいつも涼しい顔して、膨大なエネルギーの消費をしつつ、環境に優しいとされる世の中を眺めている。都合の悪いところは一切知らないふりをしてね。