あなたにふさわしい
変幻自在
あなたは普段確固たるあなたがそこにいると思いこんでいる。もちろん、どんな人かと問われるならば、こういう性格で、こういうことが好きで、こういうことが苦手だと説明できるだろう。でもそれは本当に確固たるあなただろうか。時と場合によってはあなたはあなたとは少し違うあなたになる。ちょっともったいぶった表現になってしまうけれども、本当のところはそうだね。あなたの日常の環境では、あなたについての説明はすらすらできるかもしれない。けれども、環境が違う場所にいるあなたは、実はこれまで思っていたあなたとはちょっと違うあなたになっていることを自覚しているね。何かに引きずられるというか、影響を全く受けないでいつも型どおりにあなたとしてずっと生きてきたわけではない。もちろん、その中でもおおよそ変わらない芯みたいなところを感じてはいるだろう。
状況
そう、人は常に周りの影響を受けて実は変化し続けている存在だ。あなたは会社の人間関係においてはそうだろうけれども、おそらく別の会社へ転職したあなたは、また違ったあなたとなっている。あなたにとってのおおよその理想の姿はいつもあるかもしれないけれども、本当の所そうであり続けた時間はとても短い。それぐらいそこでのあなたは変幻自在に変化し続けている。それに気がついたあなたは、ちょっと幻滅するときもあるだろう。でもそれでいいんだよ。そもそもあなたが思う理想のそれはまぼろしだからね。さらにあなたの思う理想の人も同じく幻想だ。あなたはいつもその幻想と他人を照らし合わせて、いい人だとか悪い人だとかを決めつけている。それがどれほど無意味で虚しいものかも薄々感じていながらもね。もう気づいているのならばやめてみればいい。
浮かび上がる
実はあなたというぼんやりした幻想は、いつも環境から生まれた歪みたいなものだ。確固たるあなたはこの世のどこにもいないわけだね。そう言うととても反発心を覚えるかもしれない。ところがそれこそがその証明となってしまうんだよ。この世のどこにもいないという現実をつきつけられたときのあなたの反応こそが、あなたが確固たるなにかではないからそうなるわけだ。他人の評価を気にせずにはいられないし、同僚の中でのあなたの立ち位置をずっと探して模索している。その中で一番あなたがあなたらしいと思い込んでいる場所をずっと探している。逆に言えば、それらがなくて、もしもこの世で一人ぼっちであるならば、おそらくあなたはあなたがどんなあなたかという発想すらないだろう。それを探したところであなたがそこにいることすらどうにも認識すらできないだろうからね。