正直者はバカを見ない

日々

言い訳をしているうちに、あなたはそんなつもりがなくても自然と嘘を言ってしまうことがある。その嘘はあなたを不利に貶めようとすることに対する自己防衛本能みたいなものだね。嘘は良くないと思っているけれども、あまりにあなたが状況的にまずい場合は、やむを得ず嘘をつくところまで追い込まれてしまっている。その瞬間にあなたは自己嫌悪に陥るわけだけれども、またしてもその言い訳としてはそれよりもそこまでに追い込んだ他人を責めることでやっぱり自己保身をしている。それがどんどん大きくなってしまうととても切なくなってやりきれない時間がずっと続くわけだ。だからこそあなたは本能的に嘘はやっぱり良くないと再認識するわけだ。あなたを守ろうとしてついたちっぽけな嘘が、いつの間にか手に負えないぐらいに大きくなってしまうからだね。

保身

ところで、そこまでして守ろうとしていたものの正体は一体なんだろう。ちょっとそこに目を向けてみてはどうだろうか。あなたのちっぽけな尊厳であったりプライドだったり、嫌われたくないという思いだろう。それらを見栄と呼んだりするけれども、その見栄やプライドのためにやむを得ず口からでまかせを言ってしまったんだね。それで後で大きく後悔してしまって不幸のどん底に叩き込まれてしまっている。なら、そこまでしてあなたの尊厳を守る必要は本当にあったのかな。そもそもあなたが守ろうとしてあなたは、それほどまでの価値があるのだろうか。いやそれはとても大切なものだと思うのなら、具体的にどういうものなのかを紐解いてみるといい。するとびっくりするぐらい見つからないね。そう、それも幻想であって探しても探しても掴むことすらできないわけだ。

素直さ

でも現実社会は生き馬の目を抜くほどの競争社会だ。そこでうかうかバカ正直にしていたらすぐに足元を救われてしまう恐怖との戦いが繰り広げられている。優しさを見せるとつけこまれるし、思いやりを持つと良いように利用されて捨てられてしまう。だからあなたはそこで戦うための嘘という武器を装備したわけだ。それ自身は自然なことでもあるね。嘘のつき合いの世界で、一人正直者を演じたところで勝敗は決まっているだろう。それでもあなたは嘘が嫌いだ。その本心はできれば大切にした方がいい。なぜならそれがあなたそのものであるし、それを失ってはあなたはいなくなるのと同じだからだ。あなたが後ろめたくなることはできればやらないほうが、見かけの不幸よりも幸せだろう。他人の見栄の競争の世界が辛いのならば、そこから離れるだけでいい。例えバカにされたとしてもそれがあなたなんだから、その方が自然だ。後はそのバカにされたという幻想を看破できるかどうかだけが残っているだけだよ。