一番偉い人に聞いてみないとね
偉いのはどっち
あんたは偉い。俺はあんたほどは偉くない。けれど、あいつよりまし。あいつは俺より偉くない。そうやって偉い理由を無意識に探している。そのときに劣っているところはどこかなというセンサーが起動している。そのセンサーでスキャンすると、優秀なセンサーなので必ず見つかる。ほら、やっぱり結果はそうだね。ということで俺のほうがちょっと偉いと安心する。ま、そもそも優秀なセンサーを持っていることも俺のほうがちょっと偉いという証だよね。
えらいこっちゃ
俺の方がちょっと偉いから、優秀なセンサーで念のために、あいつのいいところをスキャンすると、これまた感度が優れているから結構たくさん良いところが検出されてしまう。あらら、そこそこあいつにもいいところあるじゃない。えらいこっちゃ、これはちょっと困ったな。だって、俺はあいつより偉いという結果が揺さぶられてしまうから。実は大差ないのかな。俺の優秀なセンサーはそもそもえこひいきしなくて感度最高だから裏目に出てるのかもしれない。優秀すぎるのも考えものだね。はてさて困った。どうやったら公平に白黒はっきりさせられるのだろうか。
数で勝負だ
劣っていることと、いいところは探せば見つかってしまうのか。なら、数で勝負だな。いいところの数を数えて多いほうが偉いことにしよう。スキャン開始。すると結果は「数えられない」と出た。あら、どうしよう。なら劣っているところセンサーではどうか。劣っているセンサーを起動してスキャン開始。結果は、「どっちもどっち」になった。うーん。そんなはずはない。俺のほうが偉いはずなのに。
どんぐりの背比べ
あいつにはいつも差をつけていたはずなのに。そりゃライバルって意識もあったけれど、いつもちょっと俺のほうが偉かったはずなのに。どうも決着がつかないのはなんでだろう。こうなったら一番偉い人に決着をつけてもらうしかないな。そうだ。あんたはこの中で一番偉いんだから、あんた決めてよ。え?一番偉くないって?こりゃ困った。あんたは偉いと思っていたけど一番じゃないって?ま、確かに世の中広いからそれも一理あるね。さすが俺より偉い人だ。で、一番偉い人はどこに行けば会えるのだろうか。探したら見つかるのかな。
ん?ちょっと待てよ。一番偉い人がいたとしたら、俺達はどんぐりの背比べみたいなもの?もしかしてほとんど差はないとか言われちゃうかも。もしそうなったらどうしよう。