スパイス少々
この世
生きている時間は限られているから、できればこの世で大願成就したいと思っている人がほとんどだろう。まだ知らぬあの世でどれだけ幸せになろうとも、できれば今生での幸せをつかもうと日々努力している。それは本当にそうなのだろうか。あなたが今を生きているこの世は現実で、あの世は絵空事だと思っているからだね。実はこの世なんていうのも幻想だとすればあなたはどうするだろうか。もっと言えばこの世とあの世は実は同じなんだと気がついたなら、あなたはこの世をどういう風にデザインするだろうか。
見えている世界
あなたが体験している現世はとても苦に満ちあふれている。何をするにも必要条件が多すぎて気軽にはできないし、かといって何もしないと選択をしても何かをしろと迫られてしまう。あなた一人でできることは限られているし、かといって多くの人を動かして成し遂げる才覚もない。だから誰かの組織に属することでかろうじて僅かな賃金で生きながらえている。理想を言えば自由気ままに好き勝手生きることなんだけれども、この世はいくばくかのお金がどうしても必要に設計されている。だから、やりたくもない労働を提供することで、必要最低限のお金を得ている。そればかりか、そうしてかろうじて生活を続けているにしてもそれ以外の僅かな希望も望みもまったくもって思い通りに行くわけでもなく、ますます生きるのが困難となっている。
あの世
そんな世界で一生を終えるのならば、早めにこの世を切り上げた方が楽だなんて考えてしまう。残念なことにこの国の一番の死亡原因が自殺なんて笑い話にもならないね。それほど辛い人生にしているのは一体何が原因なんだろう。人生はもっと素敵で有意義にできないものなのか。それなら、なぜあなたはこの世を生きているのか。おそらくはあなたは大きな勘違いのままこれまで生きてきたせいだね。この世はすで楽園だし、苦と思っていることはすべてオプションでしかない。それなのにあなたはその不必要なオプションを自らたくさん選んでいる。もう一度そのオプションが本当に必要かどうかを吟味してみるといい。あなたがあれこれと苦を選ぶ理由は、彩りを添えるためだけのものでしかない。料理で言えばスパイスや辛味のようなものだね。入れすぎ注意だね。