勇者はあなた
秘めた力
あなたにはあなたがまだ気がついていない秘めた力が必ず備わっている。別にそれで励ますとか応援しようというそんなレベルの話ではない。本当の意味で凄まじい力があるのは間違いない。それが証拠に、あなたはいつも浮かない顔ができるし、何をやるにもあなたには向いているとか向いていないとか瞬時に分別することができる。うまく行けば、それはたまたまだと謙遜し、うまく行かなかったらやっぱりそんな星に生まれたんだと自らに呪いをかけることができる。いずれにせよ、簡単に幸せになってはいけないというあなたがなぜか選んだルールを、これまでも、おそらくこれからも維持することができるわけだ。これを特殊な能力と呼ばずしてなんと呼ぶのだろう。あなたにとって幸せとはそんなやすやすと達成できるものではないという信念が今のあなたを司っているね。
力の使い方
ならば、その逆もまた真なりだ。あなたは今すぐ、簡単に幸せになることだってできるはずだね。おそらく薄々その力も持っていることを知っている。ところがそれだと人生に機微がなくなってしまうと恐れるがあまりに、わざわざ無理難題に仕向けている。その呪縛の中でいつもつまらない人生だと嘆くことで、いわば安堵しているわけだ。世の中そんなに甘くないということでホッとしているわけだ。さらに、その苦しみを真に受けて本当に茨の道をさらに極めている。それを特殊能力と言わずしてなんと呼ぶべきだろうか。それほどの強力で凄まじい能力を兼ね備えているからこそと言わざるを得ないね。そう、あなたは本来は幸せの中にいる。けれどもそれでは人生に変化が少なくなってしまうという不思議な思い込みから、苦であるべきだと信じて疑わないわけだ。
世界を変える
だからこそ、あなたは世界を変える力が備わっているわけだ。さらにその力はいつでも発動することができる。いつでもできるからこそずっと秘めたまま使わないでいる。我慢することで最終的には大きな幸せを掴むことができると信じているからだ。ところが、あまりにその力が強力であるがあまりに、使い方をもはや忘れてしまっている。それを思い出すことを一般的には悟りと呼んでいるわけだ。でもおかしな話だね。そもそも人生は苦であると信じる力を持つあなたが、それを逆転できないわけがないのにね。もう、随分も前にやったことなので、おそらくは戻す呪文を忘れてしまっているようなものだ。その復活の呪文を思い出すのに、山あり谷ありの人生という冒険に出ている。そしてその結末はあなたがすでに描いたように、あなたがすでに知っていたというオチになるわけだ。いずれにせよ、それもこれもすべてはもともと楽しむためのものであることだけは忘れないでね。