なせば成る、なさねばならぬ何事も

日々

苦の正体

なんでも今すぐに完成しなければならないと、なぜかいつも焦っているね。相手から否定されたり、思っていた通りにいかなかったり、うまくいくだろうと準備したことが全く上手く行かなったりしたときに、あなたはなぜかいつも焦ってしまう癖がある。すべては未完成であり、生きている間ずっと試行錯誤の途中だというのにね。でもいつからかあなたは結果を急ぐあまりに、すぐに絶望の縁に一人追い込まれている。現実は全くそんなことはないというのに。電車を乗り間違えたら、次の駅で降りて乗り換えればいいだけだし、予定は未定であるわけだし、今できることをやるしかないはずだ。それを未来や過去を行ったり来たりして今できることをないがしろにする傾向にある。それこそ、今を生きるという先人の言葉の通り、あなたがもし何かできるとすればそれしかない。だから今できることの積み重ねで今が永遠に続く仕組みだね。

努力とまぐれ

努力は期待を叶える苦であると信じてやまない。それはそうでもあるし、そうでもないとしかそもそも言えない曖昧なことでしかない。努力はおそらくこうすればうまくいくという過去の記憶でしかないし、だからきっとうまくいくというのは希望的観測でしかない。すなわちそのいずれも今ではないことだ。誰しもが等しくわからないことばかりを頼りに生きている状態と等しいね。だからほとんどが「うまくいかない」という結論を急ぐことになる。そもそも「うまくいく」とはどういう状態を指しているのかを改めて考え直してみると良い。結局の所当てずっぽうがたまたままぐれ当たりしたときにだけ、あなたはそれを「成功」と呼んでいるだけのことだ。それなのに、自らの不備を責め立てて、一人苦を背負い込むのはいかに馬鹿げていることかに気がつくだろう。

あなたという過去

身も蓋もない言い方をすれば、結局の所頑張れば結果がついてくるなんていうのはまったくの幻想だと知ることになる。だからといって無駄な努力をするなという意味でもないことも気がつくだろう。つまり過去や未来をあれこれと余計なことを考えないで、今できることを精一杯やる、というそれだけであるし、それだけしかできないということを悟るということだ。それがわかれば、それによって未来にどうなるとか、かつての過去の記憶ではこうなったとか、そういう幻想をそこに挟み込む余地はないということだ。ほんの些細なことを誰かに言われたとて、それも過去だし、それが何かを動かす力もない。なのにあなたはそれらを全部抱えて悩み始めてしまう。そんなものは実際は本当にあったのかどうかも怪しいし、実際その詳細を改めて聞く機会があったとすると、おおよそあなたが感じていたそれとは全く違ったりもする。そう、あなたはこの一瞬でどんどん生まれ変わっている。そしてあなたという思い込みも実はどこにも存在し得ない。どうやらあなたと思っているそれも過去の幻想であって、だからこそ今できることだけをしてきただけなんだ。