苦楽
ストレス
ストレス社会と称されれるこの世界で、例外なくあなたも辛い思いをしながら日々を過ごしているだろう。うまく行かない仕事や思い通りにならない人間関係など、もはやストレスと無縁な時間を探すほうが困難な時代だね。それでもほんの僅かな余暇をのんびり過ごしてなんとかやり繰りしている。でもそのためにまた出費が増えてしまって、また苦労しながら仕事をこなす日々が楽しみの後に約束されている。もはや、僅かな楽しみにのために人生のほとんどの時間を辛い時間に変えてしまっているようなものだ。本来なら楽しく生きるためのそれらの苦が、楽しくない人生を過ごすためにあるように思えてしまうね。はてさて、その逆転現象は本当にそうなのだろうか。
疲労
いつもあなたはそんな社会に揉まれて疲れている。でもふとしたきっかけで毎日が日曜日とも言えるような状況になったことがある人は薄々知っているだろうけれども、転職や休職や引っ越しなどでたまたまの空白の時間ができたところで、実はもはやあなたはその時間を楽しみとしては使えない。できてもほんの数週間ぐらい寝て過ごして、ちょっと楽になったかと思い始めるところで急激に不安に襲われてしまう。この先どうなるのだろうとね。そのときに初めて文句を言いながらも、ストレスフルな社会だと嘆いて過ごしていたその瞬間が、実は一番幸せな時間だったと知る。行き過ぎるストレスは身体を破壊するとして避けた方がいいと言われているけれども、実際のところその上限はあなたが思っているほど低くなく、意外にずいぶんと大丈夫なことを再確認することになる。
豊かさ
あなたは大好物ばかりの食事を楽しみ、気のおけない友人と酒を飲み、前々から楽しみにしていた映画や音楽を楽しむ。たまの休日には釣りやキャンプに出かけて、連休には混むとわかっていながらも帰省して実家でのんびり過ごす。それらは幸せなことだと思っていただろうけれども、実はそれらが一番あなたの命を蝕んでいる。どんどん体重は増え、血液の検査結果は芳しくない。グルメな食事を楽しめば楽しむほどどうやら健康には悪く作用するようだ。映画や音楽はリラックスできて精神的には良いものだと思っているけれども、そうなればなるほどそれができない時間が耐えられないようになる。釣りやキャンプも例えば仕事をやめたら毎日行けると目論んでいたけれども、実際にそうなってしまうとそれほどワクワクしなくなる。どうやら楽しみは人生を破壊する麻薬であって、ストレスフルな毎日の方が長生きするのかもしれないね。毎日が幸せだともはや幸せは当たり前に変わって、一体何が幸せかすらもわからなくなるみたいだ。