お好みの設定
微笑み
愛されている実感によって自然と表情が柔和になり、わずかに微笑んでいるその表情はまさにあなたがこの世に生を受けた理由でもある。できることならばずっと笑って過ごしていたいし、それも高笑いとか大声で笑うという不自然なものではなく、なんとなくほのかに生み出される笑みだね。それを維持し、できれば守りたいがために険しい顔になってしまっているのは本末転倒だ。でも、実のところそれを指摘されるとドキッとするのではないかな。なんだか変な感じだけれども、笑って過ごしたいがためにずっとしかめっ面で過ごしている。それこそ笑い話にもならないよね。
難易度
そもそも微笑んですごしたいだけなのに、それを求めれば求めるほど険しい表情になるのはなぜだろう。それに気づくと世界は一変する。なぜなら、あなたの世界は微笑むことすら歯を食いしばって頑張らないと得られない仕組みだとこの世をでっち上げているからだ。でもどう考えてもそれはあなたが勝手にそう決めた架空のものでしかなく、そうでない世界も確実に存在していることも知っている。だから余計に歯がゆい思いをしているわけだ。なら、その設定を書き換えるだけでいいのに、なんだかんだ理由をつけてそうしないのも、実はあなたがそれが好みだからに過ぎない。微笑みの価値を勝手に簡単には手にできない遠い存在に設定することで、よりそれが実現困難な設定にしている。要するにゲームの難易度のようなものをあなたが好んでそれにしているのと同じことだね。
選好
そうやって、本質的にはあなたが望む世界がまさにすべて過不足なく実現している。それに対してこの世は苦ばかりだと嘆く演技をするのもばっちりの条件がそこにあるからだ。他人と比べて少し見劣りするぐらいの設定が心地よく、すべてが願い通りにいかないように仕向けているのもわざわざあなたがそうしているだけのこと。生まれた持った容姿が端麗でないのもそうだし、天才で世の中を変革するほどの能力には少し足りないのもそう。すべてはあなた好みのオーダーメードの人生がそこにある。生まれ持ってハードモードであるのもそうだし、それを乗り越える力がそこで発揮されるのもそう。なら、せっかくなのでそれを楽しもう。そういうと不謹慎だと揶揄されるのも実は想定内だろう。放っておけ、俺の人生だ、なのだからね。