大胆になろう

日々

初体験

最近あなたはどれだけ初めての体験を味わっただろうか。長い間生きているとどんどんそんな体験も少なくなってきているように感じているのではないかな。でも日常の何も変わらない日々の繰り返しでさえも、実は昨日と同じことなんて一つもないことに気がつくだろう。いつもの道でも細部をより注意深く観察すればどんどん変化しているし、いつもと同じ顔を鏡で見ているだろうけれども、数年前のアルバムなんかを見返してみると今とは違う顔のはずだ。あなたは生まれてこの方一瞬たりとも立ち止まったことなんてないし、周りもそれと同様に全く変化しないことなんて一度もないんだ。それでもあなたはいつもと同じだと思ってしまうのはどうしてだろうね。

同一視

そう、気がついたらあなたはすべてを同一視する癖がついてしまっている。毎日同じ電車に乗っていると、見知った顔ぶれが同じように並んでいるように思っているし、いつも降りる駅もここ数年見栄えがいつも同じだと感じている。たまに、新しい看板や自販機を見つけたりするけれども、さしたる感動もなく、ああ変わったんだ、ぐらいの感想しかない。改札を出て商店街を歩いてみてもいつもの商店街だけれども、そういえばここに確かパン屋さんがあったはずだけれども、気がついたら違う店になっているとか、そういうことだね。その背景までを想像するとその経営していた一家には大きな人生の節目があったんだろうけれども、あなたにとっては風景の一部であり、特に感動もないままだね。

自然

いつもの休日によく出かけるキャンプ場でもそう。青々と茂った木々を見て季節の変化は感じとることができるけれども、その葉っぱ一枚一枚をしげしげと観察することはない。いつものように飛び回っている虫たちにはうんざりしているし、川辺の透き通った水をみて癒やされてはいるものの、その周辺の小石の配置までは全く気にもとめずにいる。もちろんそんな細部の差異まで神経をすり減らすためにそこにいるわけではない。けれども、そのお気に入りの場所でさえ、少し前の写真を見れば随分と変わっていることに気がつくはずだ。あなたはそこの雰囲気に魅了されているのであって、その詳細にこだわっているわけではないね。さて、あなたを悩ませているそれはどうだろう。あれこれと細部やちょっとした態度、言動にあなたは随分と引きずられてしまっているのではないかな。いつもと同じように細かいことを気にもとめずに過ごせるならば、その悩みは本当に悩みになるだろうか。