あなたの推し
流行り廃り
世間ではいろんなブームが起きては消えていっている。あなたもその中にもちろん巻き込まれてきた。これほど情報量が多い世の中で、少しでもそれらの媒体を通じてブームや流行やトレンドという言葉が踊っている。ひとたびそれに触れてしまうと、あなたの中で次々と影響力を発揮する。もっといえばその世界というのは、いつも誰かが何かを流行らそうと虎視眈々と狙っているわけだ。多くの人に注目を浴びて、知ってもらうことで何かを変えたり、誰かが得をしたりするからだね。今や子どもたちの将来の夢の中に、有名人になりたい、というものが出現している。とにかくなんでもいいからその他大勢ではなく、有名人、著名人になってチヤホヤされたいだけではなく、その影響力がお金儲けの力となることも含まれている。
傑出
そんなことを夢見たり期待してしまうのは、あなたがすでに有名人や著名人を超越した存在だと気がつかないからだ。あなたの世界の中でしかいないそれらの憧れの人たちは、なんてこともないあなたが生み出している。いやいやそんなことないと反論するかもしれないが、あなたの友人に聞いてみると意外な答えが返ってくることが多いね。もちろんスーパースターである彼の名前は知っているだろう。でも、それほど注目はしていないと言われてしまう。あなたの推しはあなたが生み出しているのは間違いなく、もちろんあなたと同じ推しの人たちの中にいることでますます増幅されていくわけだ。そこでぼんやり感じていたことが確信に変わるわけだけれども、それも実はあなたの世界の中でしか起こらない。
世界のすべて
あなたがいつも世界のすべてだと思っているそれは、実は普遍的で間違いないといえるようなものではなかった。もう世界中があなたの推しについて、同意を得られないまでも認知はされていると思い込んでいたし、ブームの波に踊らされてもそれは時代の波だと思っていたことが、実は全くそうではなくむしろあなただけの波だったわけだ。それが証拠にブームは必ず終わるのを何度も体験してきたはずだね。同じものを世界中の人が欲しがったり、取り合いになったり、手に入れて自慢したりすることは、そもそもおかしなことだと気がつかないといけない。同じように違う意見の人を排除したり、少数派だと嘘をついて切り捨てたり、無理やり何かを好きにさせようとしたりすることはすべてその裏側に何か違う魂胆がある。それは熱狂的なブームや流行という隠れ蓑を着て、「それ」を欲しているあなたにいつも近寄ってくるから注意しよう。