過程が楽しい

日々

方向性

何をやり遂げるかというところばかり気になって、全体としての方向性を軽視する傾向にある。だから、これほど豊かな社会が構築されて久しいというのに、部分的に切り取ればどうでもいいようなタスクばかりに支配されている。それでもそれらをやり遂げているうちに、それ以上の大きな成果をもたらし続けているのを見ると、それらの誰でもできる簡単なお仕事の総体は実は予想以上の大きな仕事を成し遂げているとも言える。だから、部分最適ばかりだと絶望しかないそれらでも、全体としてみた場合はそれ以上の結果となって返ってくるとも言える。だからこそ、細々とした無駄ばかりに気を取られてそれらを取るに足りないと思って疎かにするよりも、簡単ではあっても丁寧にやり遂げるということの積み重ねが大切だとも言えるね。

現在地

広大な砂漠を進んでいるとき、あなたは現在地がどのあたりかが気になって仕方がない。もう少し東にいけばオアシスがあるからそれまで頑張ろうとか、そこから北へいけば街に出られるとか、そういうナビゲーションを頼りにモチベーションを維持している。あなたがそうやって進むことで全体としてはどんな影響や結果をもたらすなんてことまでは考えも及ばないだろう。そんなことよりも、あなた自身の安寧のためにそれらを活用するだけだ。オアシスに辿り着くことができれば一旦は補給と休息を得ることができるし、街まで行けば豊かな生活を取り戻すこともできるという目標があなたの原動力のすべてだといっても過言ではない。いちいちそれは総体として意義があるかどうかなんて考えることは難しいし、それを考えたところでそれらを目標から外すことなんてできるわけでもない。

辿り着く先

むしろ方向性なんていうのは、後でそれを知ることになることがほとんどで、その渦中にそれを意識することができるとすれば、あなたがすでに部分最適が十分になし得ている余裕があるときだけだ。ところがビジネスではまずは方向性を戦略として前提条件に置かなければならない場合が多いし、その逆算としての戦術がそこで検討されることばかりだ。だから順番としては真逆であって、全体最適が最終目標であり、方向性はそれに決定される。その過程である部分最適は、あくまでも全体最適を見越した遠回りしない、要するに無駄のない最短距離を求められるわけだ。その最短距離を目指して当初の全体最適を達成することでミッションコンプリートとなる。ところがビジネス上のそういった大成功は、幸せとは別次元の成功だね。それが証拠にうまく行った喜びも束の間であって、また次のミッションが与えられるわけだ。要するに全体最適を金科玉条とするビジネス上の成功とは、実は成功ではなく単なる過程にすぎない。それと自らの人生を重ね合わせてしまうと、そりゃ不幸に包まれてしまうのは当然だよね。