チューニング
あなただけ
喜びも悲しみも、楽しさも辛さもすべてはあなただけのためのものだね。もちろん、あなたがこの世にいなかったとしても、今ここで感じることがすべてなはずだ。それだったら、できれば辛さや悲しみよりも、楽しい時間をできるだけ多く過ごしたほうがいい。もちろん、その楽しさも他方の辛さがあってのことだ。相反する軸が存在しているからこその楽しさであって、独立した楽しさは残念ながら無味乾燥なものとなってもはや楽しいとは感じられないだろう。誰かと比べることができるからあなたが確固たる存在として浮き上がるのであって、もしこの世であなただけしかいなければそれも感じられない。誰かと比べるから不幸になると言われるけれども、かと言って比べることをやめることができないのは、その裏側に大きな喜びがあるからだね。
ほどほど
そんな仕組みがわかったならば、いつものようにあなたは他人を羨んだり嫉妬したり、憧れたり好きになったりすればいい。それを無理にやめようと頑張ったところで、それもやがて辛く感じるようになるからね。大いに好きになればいいし、大いに憧れたらいい。逆にその反動で、嫉妬したり恨めしくおもっていることに気がついたならば、それは仕組み上の裏側であって、それも必要だけれどもほどほどにしておいた方がいいと知る。そういう感情があなたを突き動かす原動力となっているのならば、それをうまく活用すればいいだけの話だね。いつもとっても息苦しくなってしまうのは、その裏側ばっかりの世界に閉じこもってしまいがちだからだ。それは極端な世界に陥ってしまっているだけで、そこから少しだけ浮き上がった状態を保つことができればいいね。
中道
あまりにも険しい山道は疲れるだけで、少しも前に進まない。だからといって平坦な道だと変化が乏しくてすぐに飽きてしまう。あなたはそんな極端な世界のなかでその中道を行くといい。両極のど真ん中というわけではなく、正確にはほどほどに険しく、ほどほどに平坦なそれぞれにおいてのベストを探って進むというイメージだね。急峻な道を避けるべき極端だと決めつけるわけではなく、時にはそういうほどほどに急峻な道を楽しみ、平坦な道が極端に退屈な道だと投げ出すこともなく、ちょうどいい休憩だと楽しむ。それぞれの最適な関わりをチューニングするような感覚が大切だね。ギターの弦はそれぞれの役割があり、したがってそれぞれのテンションに調整することできれいなハーモニーを醸し出すように、極端がだめだと思い込んだり、その真中が良いと思い込んだりしてしまうこととは違ったものだ。いわばどこにいても、どんなときでも、ほどほどに楽しむことができる各々のチューニングができるかどうかが肝だということだね。