不幸せが幸せ

日々

とりあえず笑って

あなたはいつもできれば笑って過ごしたいと思っている。けれども、あなたの顔をみれば、いつもしかめっ面していることが多い。思い通りになるとかならないとかという以前に、あらゆる災難に対応することに追われているからだね。楽しいはずの旅行先で、電車に乗り遅れたり、予定通りに到着する予定だったのが、その日に限ってひどい渋滞に巻き込まれてしまったり、まぁいつもいつもいろんなトラブルがあらゆるところからやってきて、本来ならもう笑うしかないはずなんだけれども、真面目なあなたはそれに対処しようとフルパワーで思考を巡らせている。その結果、あなたを記録する写真なり動画はすべて見返してみると笑っていることが驚くほど少ない。なんてついてない人生だと呪いをかければかけるほど、なぜかそれだけはどんどん叶ってしまうわけだから余計にそうなってしまう。

悪魔に取り憑かれて

そうやって、あなたはいつもトラブルという悪魔に取り憑かれて、全く持ってうまくいくことがない。いや、もっと正確に言うとまれに思い通りになんの障害もなく進むときはある。でもせっかくのその僥倖でさえ、あなたは嵐の前の静けさだと思いこんで訝しげにその裏に潜むトラブルに身を固めているね。もうねじれに捻じ曲がってしまって、スムースな進行でさえ疑ってしまうようになっている。気がついたらいつものようにトラブルが起きないと物足りない状態に陥ってしまっているわけだ。それでトラブルばかりを探し求めるがあまりに、それがどんどん実現しているね。ある意味トラブルはあなたをそこに際立たせるために一役買っているようなものだ。何も起こらない平凡な日々をもう受け付けない体になっているわけだからね。

不幸の醍醐味

もうそうなってしまうと、いろんなものは不幸でなければ納得がいかないし、成功の裏には悲劇が潜んでいないと許しがたいし、順調に進んだことを素直をそのまま受け入れがたくなっている。そんなことよりも、大いなる試練があったり、耐え難い苦労があったりする方があなたの目はキラキラと輝くことができるわけだ。ある意味あなたは悪魔そのものであり、悪魔に魂をを売り渡してしまっている。悪魔であるからこそ、人生を楽しめるわけだからだね。すでにあなたは聖人君子でもないし、幸せを実のところ望んでもいない。幸せだといいねといいつつも、無条件に与えられた幸せではもはや満足できない。どうやら幸せはあなたにとってはほんとうの意味で必要であるわけではなく、悪魔の化身となってトラブルにまみれて生きることの中に幸せを感じているのが本音だね。