あなたを溶かす

日々

避難

あなたはずっと同じ場所にいる必要があるわけでもない。それなのに、あなたはほとんどその場所を変えることはしないみたいだね。いつも同じ場所で同じ災難に見舞われてそこでずっと嘆いている。それを見た誰かに、その場所から離れることを勧められたとしても、なんだかんだと理由をつけて、あえてそこから離れようとしない。他から見ればとても不思議な光景だね。嫌な人がいるのなら、できるだけ距離を取ればいいのにあえて渦中に身を投じているし、辛くて仕方ないのなら一旦それを手放せばいいだけなのに、それでも我慢してずっと握りしめている。どうしてそういうことを続けるのかと問われると、今度は逆ギレ気味に、あなたは逃げたら負けだとか言い出す始末だ。一体あなたは何と戦っていて、何に勝とうと思っているのだろうね。

身を守る

大きな災害が起これば直ちに避難するように呼びかけている。そうなんだけれども、何人かはそうしない人もいる。命の危機が直ぐ側まで迫っているというのに、それをあなたは素直に受け入れない。それほど大したことがないというバイアスがかかっているからだ。ところが、そこにも普段の暮らしの癖がそれを助長しているわけだ。変化を嫌うがあまりに、状況が改善することに大きな期待を寄せていて、自らがそこを離れるという選択をしない。そんな癖がいつの間にかあなたを覆ってしまっていることに早く気づくといいね。逃げたら負けという言葉の一方で、逃げるが勝ちという言葉もあるのだから。あなたが無事でいられるだけで、色んな人を幸せにすることができるとすれば、どちらかというと逃げるが勝ちを採用したほうが圧倒的にメリットがあるわけだからね。

景色を変える

それは視点を変えて、色んな角度で物事を見ることだと言ってもいいね。単に不幸だからどうしようもないとふさぎ込むよりも、その場所から移動してみて、再度見直して見よう。すると、今まで全く気が付かなった新たな発見がそこにあるかもしれない。もちろん、そうしたところで何も変わらないよと反論するだろう。けれども、そうしないよりもそうしたほうが可能性が広がるわけだから、無駄だと一歩も踏み出さないよりも、踏み出すことができるのならば、それに大いに感謝して場所を変えてみよう。確かに何も変わらないかもしれないけれども、あなたが場所を移動できたという事実は揺るぎなくそこにある。そうした積み重ねが、あなたのバイアスをほんの少しずつかもしれないけれども、徐々に溶かしていくことができるわけだ。氷のようにゆっくりと、でも確実に溶けて液体になれば、自由自在にその姿を状況にピッタリと合わせることができるようになるのだからね。