気に入らない世界
立場
あなたにとって気に入らないあの人がいる。けれどもなにもかもすべてが気に入らないわけではない。それをなんとか直してくれたらいいのにとあなたは思っている。そう、あなたがそう思っているわけで、その人は思っていない。ここが要だね。いいとか悪いとか、あなたが決めているけれども、相手の立場になったらどうだろう。そうやって斟酌することを真の理解と呼ぶわけだ。英語ではunderstandというように、その人の元に(under)立って(stand)ものごとを見られるかどうかということだね。
否定
あなたはその人がいい人であるように願っている。もちろんそのいい悪いはあなたにとってのいい人であることは間違いない。いや、そんなことはないとあなたは思っている。あなた以外の誰もがそうだと信じて疑わない。むしろその証拠をいくつも用意できるだろう。ただ、それもこれもあなたが用意したあなたの世界だ。あなたから離れて、その人の立場を考えるとき、それは間違いなく同じように見えると思っている。それもこれもあなたの世界だから無理もない。もっといい人でありますように、と願えば願うほど、いい人ではなくなる。それは、あなたは否定の世界を想像しているつもりでも、実は悪いところばかりがあなたの世界にいっぱいになっているからね。
比較
そもそもいいも悪いも比べないと生まれない。そしてあなたはその比べた結果であなたを軌道修正している。だからあくまでもそれはあなただけのものであって、それ以上でもそれ以下でもないね。そのものさしをあなた以外の何かに当てはめようとすると、途端におかしなことばかりの世界になる。そうして、あなたはそうでない世界を求めてやまないのだけれども、残念ながらあなたの脳はそうではない世界を想像するよりも、現状そうではないことばかりを浮き彫りにしてしまう。それが認識という仕組みみたいだね。あなたはそうやって不安や不満ばかりを思い浮かべてしまうわけだ。それがわかれば、そんなことをあまり意識しないで、違うことに没頭したほうが、結果的には楽しい時間で満たされるというからくりなわけだ。